大切なもの
いつものケンカは小さい事だったからよかったけど、今回は違う。
光にとってファーストキスは小さい事に感じるのだろうけど私にとっては大きい。ショックだった。ブルーな気持ちで2日目が終わっていってしまった。

次の日。2泊3日の最後の日。
その日光と話すことはなかった。話したくなかった。昨日の事を思い出すと話せなかった。
夕方になり、お母さんが帰って来た。光の家まで迎えに来た。
「まゆ~。帰るわよ。」
「ハーイ。」
お母さんが光のお母さんと話してたから、光の部屋に行った。あいさつぐらいはしておこうと思って。
ガチャッ。
「光、帰るね。2泊3日ありがと。」
私はまだ少し怒っていた。全然謝ってこないし。
「まゆ、ゴメン。あの時まゆの気持ち全然分かってなかった。」
今までのケンカはいつも仕方なく私から謝ってきたけど、今回は光から謝ってきた。こんな事は初めて。ビックリした。でも私は
「あっそ。」
と言って部屋を出て行った。
素直になれない自分がいた。いいよ。って言ってあげられなかった。
「お世話になりました。じゃあ、また来ます。」
「いいわよ。じゃあ、また今度ね。」
光のお母さんとそんな会話をして光の家を出た。
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