キラリの恋は晴れのち晴れ!
第25話 翼の心理作戦!
その日、キラリは学校から帰り翼の部屋のドアをノックする。
〝コンコン〟
返事がない。
キラリはそっと翼の部屋のドアノブを回した。ドアはスーッと開き、そのわずかな隙間から中を覗いた。
しかし中には翼の姿が見えない。
キラリはドアを閉めようとした瞬間、キラリが手をかけていたドアノブがグイッと引っ張られて、突然ドアの陰から翼が現れた。
キラリ「うわっ!ビックリした!!!」
翼は声を出して笑っている。
キラリ「ちょっと~…やめてよう…」
翼「驚いたか?心臓にアフロみたいな毛が生えてるようなキラリでも、こんなことで驚くんだな!」
キラリ「お前!背中に気を付けろよ!」
翼「ところで何か用事か?」
翼はキラリの肩に手をかけ、部屋の中へ引き入れた。
翼「まぁ、座れよ」
翼の部屋の中はいつも片付いている。育ちが良いのか几帳面な性格がうかがえる。
キラリは二人掛けのローソファーに腰を下ろした。そのあと翼が強引にキラリの隣に座る。
つ…翼…ちょ…ちょっと…近すぎだよ…
キラリは内心ドキドキするのを表面に出さないように装った。
翼「最近お前の態度がよそよそしいから心配してたんだ。その事で何か言いに来たのか?
例えば……俺と…
付き合ってくれとか……」
キラリ「はっ…はぁ!?お前……何勘違いしてんだよ!そ……そんなこと……言いに来たんじゃねぇよ!!」
翼「ふーん…じゃあ何?」
キラリ「ちょっと……デートの話をしに来ただけだ……」
翼「デート……じゃあやっぱり俺と……」
キラリ「だ……だから違うって!凛花が……男の子に告られたからデートに誘ってくれって言うから……」
翼「うーん……ちょっとお前の話は少しややこしいけど、多分こういうことかな?
凛花が男の子にデート誘われて、二人では気まずいからキラリも俺と一緒にデートに誘えと言われたと……こういうことかな?」
キラリ「……………お前の話の方がややこしいわ!何言ってるか全然わかんねーよ!」
翼「……………え?違うの?」
キラリ「つまりだな…凛花が二人じゃ気まずいから、凛花と男の子で、私と翼が………えーと………ダブルデートしようって頼んでくれって言われたんだよ……」
翼「……………ま、間違って無かったとは思うが、お前の言いたいことはよくわかった。だが………」
キラリ「だが?」
翼「断る!!!」
キラリ「はぁ!?」
翼「はぁ!?の意味がわかんねーよ……」
キラリ「こんなに可愛い女の子の誘いをよく断れるな!」
翼「わかったよ!断らねーよ……」
キラリ「じゃ……じゃあ最初から素直にそう言えよ……」
翼「だって……断ったらまたお前怒るだろ?」
キラリ「あのさぁ……」
翼はそう言いかけたキラリの口を手で塞いで、キラリの耳元でそっとささやいた。
翼「わかってるって……本当はお前がデートしたいんだろ?」
キラリはバッ!と立ち上がって
キラリ「いちいち人のことからかうのは止めろよな!その気も無いくせに変に気を持たせるようなこと言うなよ!」
キラリは部屋のドアをバンッ!と閉めて自分の部屋に戻って行った。
キラリはベッドにうつ伏せになり、拳を固めて震えている。
その時、キラリの部屋の開いた状態のドアを翼がノックした。
〝コンコン〟
翼「なぁキラリ……俺が悪かったよ…ゴメン……」
しばらく翼は部屋の前で立っていたが、ゆっくりとキラリの側へ行き、そしてベッドの前で屈んでキラリをじっと見つめる。
キラリはその気配を感じながらも無視している。
翼「キラリ?キラリ?なぁ?機嫌直してくれよ……ほんと俺が悪かったって……なぁキラリ?」
翼はキラリの肩を揺さぶり機嫌を取ろうと必死になっている。
キラリはうつ伏せのままギロリと翼を睨(にら)んだ。
キラリ「もういい加減にそういうの止めてくれよ!こっちはその度に心が苦しいんだよ!」
翼「苦しい?どうして?」
キラリ「翼は…頭は良いかも知れないけど……もう少し女心を勉強した方が良いんじゃねーの!」
翼「キラリ……
わかってるよ……
女心……
でもさ……
お前があんまりにも可愛いからつい……」
キラリ「え………」
翼はそれだけを言って部屋から出て行ってしまった。
翼?
その時キラリは、薫から言われた言葉を思い出した。
〝女は追うより追われる方が幸せなんだよ〟
母ちゃん………私……逆に翼に追わされてる!?……あいつの作戦にはめられてる!?
つーばーさー!!!
キラリは翼の心理作戦にはめられていることに気付き、更に憤りを覚えた。
しかし、ここでまたムキになれば翼の思うつぼだと考え直し、放っておくことにした。
しばらく待っても翼から何の反応もない。
翼……どこか行っちゃったのかな………
キラリはそーっと翼の部屋を覗くが全く居る気配がない。
そしてゆっくり静かに階段を降りてリビングを覗くが、ここにも誰も居る気配がない。
外に出掛けたような物音も聞こえなかったように思える。
おかしいな……トイレにしては長いし…風呂にも居る気配もない…いったい翼はどこに行ったのかな……
キラリは頭を傾げながら自分の部屋に戻った。すると、隣の翼の部屋から物音が聞こえてきた。
再びキラリがそーっと翼の部屋を覗こうとした瞬間…
不意にキラリの背後から声をかけられて飛び上がった。
翼「キラリ……」
キラリ「うわぁーーーーー!!!」
翼はそれを見て愉しそうに笑っている。
結局翼の方がキラリより一枚上手であった。
〝コンコン〟
返事がない。
キラリはそっと翼の部屋のドアノブを回した。ドアはスーッと開き、そのわずかな隙間から中を覗いた。
しかし中には翼の姿が見えない。
キラリはドアを閉めようとした瞬間、キラリが手をかけていたドアノブがグイッと引っ張られて、突然ドアの陰から翼が現れた。
キラリ「うわっ!ビックリした!!!」
翼は声を出して笑っている。
キラリ「ちょっと~…やめてよう…」
翼「驚いたか?心臓にアフロみたいな毛が生えてるようなキラリでも、こんなことで驚くんだな!」
キラリ「お前!背中に気を付けろよ!」
翼「ところで何か用事か?」
翼はキラリの肩に手をかけ、部屋の中へ引き入れた。
翼「まぁ、座れよ」
翼の部屋の中はいつも片付いている。育ちが良いのか几帳面な性格がうかがえる。
キラリは二人掛けのローソファーに腰を下ろした。そのあと翼が強引にキラリの隣に座る。
つ…翼…ちょ…ちょっと…近すぎだよ…
キラリは内心ドキドキするのを表面に出さないように装った。
翼「最近お前の態度がよそよそしいから心配してたんだ。その事で何か言いに来たのか?
例えば……俺と…
付き合ってくれとか……」
キラリ「はっ…はぁ!?お前……何勘違いしてんだよ!そ……そんなこと……言いに来たんじゃねぇよ!!」
翼「ふーん…じゃあ何?」
キラリ「ちょっと……デートの話をしに来ただけだ……」
翼「デート……じゃあやっぱり俺と……」
キラリ「だ……だから違うって!凛花が……男の子に告られたからデートに誘ってくれって言うから……」
翼「うーん……ちょっとお前の話は少しややこしいけど、多分こういうことかな?
凛花が男の子にデート誘われて、二人では気まずいからキラリも俺と一緒にデートに誘えと言われたと……こういうことかな?」
キラリ「……………お前の話の方がややこしいわ!何言ってるか全然わかんねーよ!」
翼「……………え?違うの?」
キラリ「つまりだな…凛花が二人じゃ気まずいから、凛花と男の子で、私と翼が………えーと………ダブルデートしようって頼んでくれって言われたんだよ……」
翼「……………ま、間違って無かったとは思うが、お前の言いたいことはよくわかった。だが………」
キラリ「だが?」
翼「断る!!!」
キラリ「はぁ!?」
翼「はぁ!?の意味がわかんねーよ……」
キラリ「こんなに可愛い女の子の誘いをよく断れるな!」
翼「わかったよ!断らねーよ……」
キラリ「じゃ……じゃあ最初から素直にそう言えよ……」
翼「だって……断ったらまたお前怒るだろ?」
キラリ「あのさぁ……」
翼はそう言いかけたキラリの口を手で塞いで、キラリの耳元でそっとささやいた。
翼「わかってるって……本当はお前がデートしたいんだろ?」
キラリはバッ!と立ち上がって
キラリ「いちいち人のことからかうのは止めろよな!その気も無いくせに変に気を持たせるようなこと言うなよ!」
キラリは部屋のドアをバンッ!と閉めて自分の部屋に戻って行った。
キラリはベッドにうつ伏せになり、拳を固めて震えている。
その時、キラリの部屋の開いた状態のドアを翼がノックした。
〝コンコン〟
翼「なぁキラリ……俺が悪かったよ…ゴメン……」
しばらく翼は部屋の前で立っていたが、ゆっくりとキラリの側へ行き、そしてベッドの前で屈んでキラリをじっと見つめる。
キラリはその気配を感じながらも無視している。
翼「キラリ?キラリ?なぁ?機嫌直してくれよ……ほんと俺が悪かったって……なぁキラリ?」
翼はキラリの肩を揺さぶり機嫌を取ろうと必死になっている。
キラリはうつ伏せのままギロリと翼を睨(にら)んだ。
キラリ「もういい加減にそういうの止めてくれよ!こっちはその度に心が苦しいんだよ!」
翼「苦しい?どうして?」
キラリ「翼は…頭は良いかも知れないけど……もう少し女心を勉強した方が良いんじゃねーの!」
翼「キラリ……
わかってるよ……
女心……
でもさ……
お前があんまりにも可愛いからつい……」
キラリ「え………」
翼はそれだけを言って部屋から出て行ってしまった。
翼?
その時キラリは、薫から言われた言葉を思い出した。
〝女は追うより追われる方が幸せなんだよ〟
母ちゃん………私……逆に翼に追わされてる!?……あいつの作戦にはめられてる!?
つーばーさー!!!
キラリは翼の心理作戦にはめられていることに気付き、更に憤りを覚えた。
しかし、ここでまたムキになれば翼の思うつぼだと考え直し、放っておくことにした。
しばらく待っても翼から何の反応もない。
翼……どこか行っちゃったのかな………
キラリはそーっと翼の部屋を覗くが全く居る気配がない。
そしてゆっくり静かに階段を降りてリビングを覗くが、ここにも誰も居る気配がない。
外に出掛けたような物音も聞こえなかったように思える。
おかしいな……トイレにしては長いし…風呂にも居る気配もない…いったい翼はどこに行ったのかな……
キラリは頭を傾げながら自分の部屋に戻った。すると、隣の翼の部屋から物音が聞こえてきた。
再びキラリがそーっと翼の部屋を覗こうとした瞬間…
不意にキラリの背後から声をかけられて飛び上がった。
翼「キラリ……」
キラリ「うわぁーーーーー!!!」
翼はそれを見て愉しそうに笑っている。
結局翼の方がキラリより一枚上手であった。