キラリの恋は晴れのち晴れ!
第27話 凛花と寿に迫る危機
~デート翌日~
キラリ「ねぇ凛花、あのあと二人でどこか行ったの?」
凛花「うん、あのあと街ブラしてから喫茶店で色んなこと話ししてた。あの子さぁ、母子家庭で色々苦労してるんだって。小さい頃からお母さんの代わりに家事全般手伝ってて、弟や妹の面倒見て来たって…だからあんなにいろいろと細かい気遣いとか出来るんだと思う。
キラリ「凄くいい子だもんね!」
凛花「いい子だよ!デートしてる間ずっと私のこと気遣ってくれて、疲れてない?お腹空いてない?喉渇いてない?そこで休もうか?いい子過ぎてビックリしちゃった」
キラリ「そうなんだ…翼とはえらい違いだわ!」
凛花「でもさ、翼だって優しいところあるじゃん」
キラリ「そりゃあ…あるにはあるけど…」
キラリは凛花が羨ましくて仕方がない。
凛花「私…あの子と付き合おうと思ってる…話してても楽しいし、凄く気が合いそうだし…」
キラリ「いいじゃん!あの子なら絶対良いと思う!でも…」
凛花「でも…何?」
キラリ「翼は…あんまりあの子のことをよく言わないんだよね…」
凛花「そうなの?」
キラリ「うん…寿に対して何か引っ掛かるところがあるんだよなぁ~って…」
凛花「引っ掛かる?」
キラリ「私も何のことかわかんないんだけど…」
その日、校内で下級生の男子達がキラリ達の教室を覗きに来る場面があった。
キラリと凛花はその男子と目が合い、男子達は何か愉しげに話してその場を去っていく。
キラリ「あの子ら何だろうね?」
凛花「うーん…寿の友達とかが様子見に来たのかな?」
キラリ「そうだよ!きっと。凛花がどんな娘か見に来たんだよ!」
凛花「ちょっと恥ずかしいな…」
~その日の放課後~
寿「凛花さん!」
キラリと凛花は下校しようと廊下を歩いていると、後ろから寿が声をかけてきた。
凛花「あっ…寿…」
凛花は振り返り、恥ずかしそうに言った。
キラリは既に凛花が寿を呼び捨てで呼ぶほどの仲になっていることに驚いた。
寿「キラリさん、こんにちは!凛花さん…あの…一緒に帰りませんか?」
寿はキラリに一礼してから凛花に声をかけた。
凛花はチラリとキラリの方を見た。
キラリ「凛花、いいよ!一緒に帰りなよ」
凛花「キラリ…」
凛花は少し申し訳ないといった表情を見せたが、今は一番楽しいとき、凛花は軽く頷いて
凛花「キラリ…ごめんね…」
そう言って寿と一緒に歩き出した。
キラリはその二人の後ろ姿を見送り、少しわびしい気持ちになっていた。
キラリ「母ちゃんただいま~」
キラリはいつもの如く玄関を開けて先ず居るか居ないかわからない薫に声をかける。
やはり家の中はシーンと静まり返っている。
そしてキラリは自分の部屋に上がり、鞄を置いてから翼の部屋に向かった。
キラリ「翼?」
キラリは翼の部屋のドアの前で声をかける。
部屋の中から翼の声が返って来た。
翼「入れよ」
キラリはドアを開けて中へ入った。
キラリ「翼、やっぱりあの寿って子は凄く優しくていい子だってさ。母子家庭でいろいろ苦労してんだって」
翼「うーん…それは凛花がそう言ってるだけだろ?」
キラリ「どうして?どうして翼は寿に対して否定的なの?」
翼「まぁ、ハッキリとはわからないけどさ、何かあいつの目の奥に裏の素顔がありそうな気がしてな…」
キラリ「えぇ!?めっちゃ優しそうな目してんじゃん!」
翼「どうかな…俺はあいつの時折見せる素の表情にゾッとするものを感じるけどな…」
キラリ「やっぱり翼は寿に嫉妬してるよね?翼はあんなに優しくないし、気遣いとかもしないし、あの子が良い子だ良い子だって言うもんだから!」
翼「別に好きに思ってくれてかまわないけど、凛花には一応注意深く観察することを勧めるな」
キラリは翼の言葉をイマイチ聞く気にはなれなかった。
絶対翼は面白くないんだよ!寿があんなに良い子なもんだから!
~その頃凛花達は~
凛花と寿は仲良く手を繋ぎながら寿の家に向かい歩いていた。
その道中で、数人のガラの悪そうな若者とすれ違う。
若者達はジロジロと二人をなめ回すように見ている。
凛花は少し顔がこわばり、緊張の面持ちで通りすぎようとしていた。
しかし、運悪くこの若者達が寿と凛花を呼び止める。
若者「おい!お前、何さっきからジロジロ見てんだよ!」
寿「別にお前らなんか見てねぇよ」
凛花はこの一触即発の状況に動揺して
凛花「寿…行こうよ…私怖いよ…」
凛花は寿の袖を引いて逃げようと促すのだが寿は凛花にそっとこう言った。
寿「凛花さん…俺がこいつらの注意引くからその間に逃げて!」
凛花「えぇ…そんなこと…」
寿「いいからさぁ早く!」
凛花は戸惑いながらも寿を置いて逃げ出した。
そして後ろを振り返り誰も追って来ないことを確認してから、すぐにキラリに電話をかけた。
キラリ「もしもし?どうしたの?」
凛花「キラリ…どうしよう…寿が…」
凛花の切羽詰まった声に、ただならぬ事態が起きていることを感じた。
キラリ「寿がどうしたの!何があった?」
凛花「ガラの悪そうな人達に絡まれて、私だけ逃げろって言われて…どうしよう…」
キラリ「で?今どこに居るの?」
凛花「それがよくわかんないの…」
キラリ「ねぇ凛花、あのあと二人でどこか行ったの?」
凛花「うん、あのあと街ブラしてから喫茶店で色んなこと話ししてた。あの子さぁ、母子家庭で色々苦労してるんだって。小さい頃からお母さんの代わりに家事全般手伝ってて、弟や妹の面倒見て来たって…だからあんなにいろいろと細かい気遣いとか出来るんだと思う。
キラリ「凄くいい子だもんね!」
凛花「いい子だよ!デートしてる間ずっと私のこと気遣ってくれて、疲れてない?お腹空いてない?喉渇いてない?そこで休もうか?いい子過ぎてビックリしちゃった」
キラリ「そうなんだ…翼とはえらい違いだわ!」
凛花「でもさ、翼だって優しいところあるじゃん」
キラリ「そりゃあ…あるにはあるけど…」
キラリは凛花が羨ましくて仕方がない。
凛花「私…あの子と付き合おうと思ってる…話してても楽しいし、凄く気が合いそうだし…」
キラリ「いいじゃん!あの子なら絶対良いと思う!でも…」
凛花「でも…何?」
キラリ「翼は…あんまりあの子のことをよく言わないんだよね…」
凛花「そうなの?」
キラリ「うん…寿に対して何か引っ掛かるところがあるんだよなぁ~って…」
凛花「引っ掛かる?」
キラリ「私も何のことかわかんないんだけど…」
その日、校内で下級生の男子達がキラリ達の教室を覗きに来る場面があった。
キラリと凛花はその男子と目が合い、男子達は何か愉しげに話してその場を去っていく。
キラリ「あの子ら何だろうね?」
凛花「うーん…寿の友達とかが様子見に来たのかな?」
キラリ「そうだよ!きっと。凛花がどんな娘か見に来たんだよ!」
凛花「ちょっと恥ずかしいな…」
~その日の放課後~
寿「凛花さん!」
キラリと凛花は下校しようと廊下を歩いていると、後ろから寿が声をかけてきた。
凛花「あっ…寿…」
凛花は振り返り、恥ずかしそうに言った。
キラリは既に凛花が寿を呼び捨てで呼ぶほどの仲になっていることに驚いた。
寿「キラリさん、こんにちは!凛花さん…あの…一緒に帰りませんか?」
寿はキラリに一礼してから凛花に声をかけた。
凛花はチラリとキラリの方を見た。
キラリ「凛花、いいよ!一緒に帰りなよ」
凛花「キラリ…」
凛花は少し申し訳ないといった表情を見せたが、今は一番楽しいとき、凛花は軽く頷いて
凛花「キラリ…ごめんね…」
そう言って寿と一緒に歩き出した。
キラリはその二人の後ろ姿を見送り、少しわびしい気持ちになっていた。
キラリ「母ちゃんただいま~」
キラリはいつもの如く玄関を開けて先ず居るか居ないかわからない薫に声をかける。
やはり家の中はシーンと静まり返っている。
そしてキラリは自分の部屋に上がり、鞄を置いてから翼の部屋に向かった。
キラリ「翼?」
キラリは翼の部屋のドアの前で声をかける。
部屋の中から翼の声が返って来た。
翼「入れよ」
キラリはドアを開けて中へ入った。
キラリ「翼、やっぱりあの寿って子は凄く優しくていい子だってさ。母子家庭でいろいろ苦労してんだって」
翼「うーん…それは凛花がそう言ってるだけだろ?」
キラリ「どうして?どうして翼は寿に対して否定的なの?」
翼「まぁ、ハッキリとはわからないけどさ、何かあいつの目の奥に裏の素顔がありそうな気がしてな…」
キラリ「えぇ!?めっちゃ優しそうな目してんじゃん!」
翼「どうかな…俺はあいつの時折見せる素の表情にゾッとするものを感じるけどな…」
キラリ「やっぱり翼は寿に嫉妬してるよね?翼はあんなに優しくないし、気遣いとかもしないし、あの子が良い子だ良い子だって言うもんだから!」
翼「別に好きに思ってくれてかまわないけど、凛花には一応注意深く観察することを勧めるな」
キラリは翼の言葉をイマイチ聞く気にはなれなかった。
絶対翼は面白くないんだよ!寿があんなに良い子なもんだから!
~その頃凛花達は~
凛花と寿は仲良く手を繋ぎながら寿の家に向かい歩いていた。
その道中で、数人のガラの悪そうな若者とすれ違う。
若者達はジロジロと二人をなめ回すように見ている。
凛花は少し顔がこわばり、緊張の面持ちで通りすぎようとしていた。
しかし、運悪くこの若者達が寿と凛花を呼び止める。
若者「おい!お前、何さっきからジロジロ見てんだよ!」
寿「別にお前らなんか見てねぇよ」
凛花はこの一触即発の状況に動揺して
凛花「寿…行こうよ…私怖いよ…」
凛花は寿の袖を引いて逃げようと促すのだが寿は凛花にそっとこう言った。
寿「凛花さん…俺がこいつらの注意引くからその間に逃げて!」
凛花「えぇ…そんなこと…」
寿「いいからさぁ早く!」
凛花は戸惑いながらも寿を置いて逃げ出した。
そして後ろを振り返り誰も追って来ないことを確認してから、すぐにキラリに電話をかけた。
キラリ「もしもし?どうしたの?」
凛花「キラリ…どうしよう…寿が…」
凛花の切羽詰まった声に、ただならぬ事態が起きていることを感じた。
キラリ「寿がどうしたの!何があった?」
凛花「ガラの悪そうな人達に絡まれて、私だけ逃げろって言われて…どうしよう…」
キラリ「で?今どこに居るの?」
凛花「それがよくわかんないの…」