キラリの恋は晴れのち晴れ!
第31話 翼の気持ち
キラリは家に帰り翼に報告した。
キラリ「あんな奴だとは思わなかったんだけどな…」
翼「予想通りだったけどな…」
キラリ「翼はいつから気づいてたの?」
翼「あいつの瞳の奥に宿る闇が見え隠れしてた…」
キラリ「翼って凄いんだね!じゃあ、私の瞳の奥には何が見える?」
翼「なんにも見えない!」
キラリ「どうしてさ!」
翼「だってキラリは…頭ん中空っぽだろ?」
キラリ「つーばーさぁ~~~!」
キラリは怒った振りをして逃げる翼を追いかけ回した。
翼は走り回りながら
翼「けどよ!お前のピュアなハートは俺けっこう好きだぜ!」
キラリはその瞬間立ち止まって顔を赤らめる。
翼………
翼「あっ!お前顔赤くしてんの!可愛い奴だな!」
キラリ「もう!そうやってからかって!」
キラリはニコニコしながらまた翼と追いかけっこを始めた。
~その日の夜~
キラリと翼は夜になっても汗ばむほどの暑さに耐えきれず、二人でコンビニでアイスを買って家に戻ってきた。
二人はベランダで一緒に並んで綺麗な夜空を眺めながらアイスを食べている。
キラリ「ねぇ、翼…翼の家ってお金持ちなの?」
翼「……………そうだなぁ……貧乏ってことはないな……」
キラリ「翼はいつかは親の仕事継ぐの?」
翼「あ?何でそんなこと聞くんだよ」
キラリ「だって……母ちゃんが翼はきっとどこかの御曹司だって……そういう人って親の仕事継ぐんでしょ?」
翼「俺は羽の生えた鳥だから、自由に羽ばたくのが好きなんだよ。だから家飛び出してお前ん家に居候してるだろ?」
キラリ「大学卒業したらどうするの?」
翼「うーん………適当に仕事見つけるって言ってもなぁ……すぐに職場の奴と喧嘩して追い出されちまうし……いっそ、お前んとこのドライバーとして雇ってもらおうかな?」
キラリ「え!?翼はウチで働きたい?」
翼「だってよ……ここは居心地良いし、他所行くより全然楽しいかなって……」
キラリ「家は居心地良い?」
翼「そうだな。なんかアットホームで好きだな」
キラリ「翼ん家はどんな家庭?」
翼「俺ん家は……家族揃ってどこかに遊びに行ったって思い出が無いんだよな……親父は仕事仕事で、休みの日は付き合いでゴルフだの釣りだので家に居ないし……母さんも接待とかでいつも忙しそうに駆け回ってるし、俺は兄、姉、そして弟が居るんだけどよ、兄貴が親父の会社継ぐ為に頑張ってるよ。姉貴はもう結婚して嫁いでるし、弟は行方不明だから……」
キラリ「じゃあ、翼は仕事継がなくても良いの?」
翼「親父は俺にも会社に入らせたいみたいだけどな……兄貴が次期社長なら俺が居る必要なんか無いさ。そもそも俺は全然期待されてねぇんだ」
キラリ「翼……ずっと……」
翼「ずっと…何だよ?」
キラリ「ううん……そうだ!父ちゃんに聞いてあげよっか?」
翼「いや、まだその話はしない。先の事なんてまだ考えたく無いんだよ」
キラリ「でも、もう来年のことじゃん!」
翼「人生先の事なんてどうなるかわかんねぇぞ!何でも計画通りに事が進むと思ったら、それが裏切られた時にショックが大きくなるんだ。風の流れるままに任せて翔ぶのがこの翼の生き方さ」
その時、夜空に一筋の流れ星が一瞬煌めいた。
キラリ「あっ!流れ星!」
キラリは指差してそう叫んだ。
翼「なぁ…キラリ……」
キラリ「ん?」
翼「お前……好きな男子は居ないのか?」
キラリ「なっ……何だよいきなり……そ……そんなの居ないに決まってるだろ!」
翼「そっか……俺は………最近凄く気になる娘が現れてよ………」
キラリはその言葉にひどく狼狽(うろた)え、心臓は激しく高鳴り、胸が苦しくなった。
翼の中には………他の誰かが居るんだね………
キラリ「え……………ど……どんな娘?」
翼「なんつーか………今まで知り合った女とは全然違ってよ……俺も何で自分がこんな気持ちになるのかさっぱりわかんねーんだよ………
好き?ってのも何か違う気がしてよ……
好きって言うよりも………
そいつの事が愛しいっていう表現の方が適切かもしんねぇ………」
キラリ「翼………」
翼「お前にはわかんねーだろうなぁ………こんな気持ち………」
キラリ「うん………わかんない………」
キラリは気持ちを落ち着かせてから続けた。
キラリ「私なら、目の前にイケメンの王子様が現れたら………
好きで好きでたまんなくて………その王子様の過去も全て自分だけのものにしたくて、自分だけの為に生まれて来て、自分だけを見てて欲しくて………
私の事が大好きでいて欲しい………
そして………たくさん甘やかして欲しい………」
翼「ははは、お前本当に独占欲強いな!」
翼はキラリの頭にポンと手を乗せ、そして立ち上がりベランダの手すりに手をかけてそっと言った。
翼「キラリ……」
翼は続けて何かを言ったのだが、キラリはその後の言葉が聞き取れなかった。
キラリ「え?今何て?」
翼「何でもねーよ。ちょっと風呂入って来る」
キラリ「うん………」
翼……今何て言ったの?教えてよ……その後の言葉………
私には………
キラリ……
好きだよ……
そう言ったように思えたんだけど……………
まさかね……
翼がそんなこと言うはずないよね……………
キラリ「あんな奴だとは思わなかったんだけどな…」
翼「予想通りだったけどな…」
キラリ「翼はいつから気づいてたの?」
翼「あいつの瞳の奥に宿る闇が見え隠れしてた…」
キラリ「翼って凄いんだね!じゃあ、私の瞳の奥には何が見える?」
翼「なんにも見えない!」
キラリ「どうしてさ!」
翼「だってキラリは…頭ん中空っぽだろ?」
キラリ「つーばーさぁ~~~!」
キラリは怒った振りをして逃げる翼を追いかけ回した。
翼は走り回りながら
翼「けどよ!お前のピュアなハートは俺けっこう好きだぜ!」
キラリはその瞬間立ち止まって顔を赤らめる。
翼………
翼「あっ!お前顔赤くしてんの!可愛い奴だな!」
キラリ「もう!そうやってからかって!」
キラリはニコニコしながらまた翼と追いかけっこを始めた。
~その日の夜~
キラリと翼は夜になっても汗ばむほどの暑さに耐えきれず、二人でコンビニでアイスを買って家に戻ってきた。
二人はベランダで一緒に並んで綺麗な夜空を眺めながらアイスを食べている。
キラリ「ねぇ、翼…翼の家ってお金持ちなの?」
翼「……………そうだなぁ……貧乏ってことはないな……」
キラリ「翼はいつかは親の仕事継ぐの?」
翼「あ?何でそんなこと聞くんだよ」
キラリ「だって……母ちゃんが翼はきっとどこかの御曹司だって……そういう人って親の仕事継ぐんでしょ?」
翼「俺は羽の生えた鳥だから、自由に羽ばたくのが好きなんだよ。だから家飛び出してお前ん家に居候してるだろ?」
キラリ「大学卒業したらどうするの?」
翼「うーん………適当に仕事見つけるって言ってもなぁ……すぐに職場の奴と喧嘩して追い出されちまうし……いっそ、お前んとこのドライバーとして雇ってもらおうかな?」
キラリ「え!?翼はウチで働きたい?」
翼「だってよ……ここは居心地良いし、他所行くより全然楽しいかなって……」
キラリ「家は居心地良い?」
翼「そうだな。なんかアットホームで好きだな」
キラリ「翼ん家はどんな家庭?」
翼「俺ん家は……家族揃ってどこかに遊びに行ったって思い出が無いんだよな……親父は仕事仕事で、休みの日は付き合いでゴルフだの釣りだので家に居ないし……母さんも接待とかでいつも忙しそうに駆け回ってるし、俺は兄、姉、そして弟が居るんだけどよ、兄貴が親父の会社継ぐ為に頑張ってるよ。姉貴はもう結婚して嫁いでるし、弟は行方不明だから……」
キラリ「じゃあ、翼は仕事継がなくても良いの?」
翼「親父は俺にも会社に入らせたいみたいだけどな……兄貴が次期社長なら俺が居る必要なんか無いさ。そもそも俺は全然期待されてねぇんだ」
キラリ「翼……ずっと……」
翼「ずっと…何だよ?」
キラリ「ううん……そうだ!父ちゃんに聞いてあげよっか?」
翼「いや、まだその話はしない。先の事なんてまだ考えたく無いんだよ」
キラリ「でも、もう来年のことじゃん!」
翼「人生先の事なんてどうなるかわかんねぇぞ!何でも計画通りに事が進むと思ったら、それが裏切られた時にショックが大きくなるんだ。風の流れるままに任せて翔ぶのがこの翼の生き方さ」
その時、夜空に一筋の流れ星が一瞬煌めいた。
キラリ「あっ!流れ星!」
キラリは指差してそう叫んだ。
翼「なぁ…キラリ……」
キラリ「ん?」
翼「お前……好きな男子は居ないのか?」
キラリ「なっ……何だよいきなり……そ……そんなの居ないに決まってるだろ!」
翼「そっか……俺は………最近凄く気になる娘が現れてよ………」
キラリはその言葉にひどく狼狽(うろた)え、心臓は激しく高鳴り、胸が苦しくなった。
翼の中には………他の誰かが居るんだね………
キラリ「え……………ど……どんな娘?」
翼「なんつーか………今まで知り合った女とは全然違ってよ……俺も何で自分がこんな気持ちになるのかさっぱりわかんねーんだよ………
好き?ってのも何か違う気がしてよ……
好きって言うよりも………
そいつの事が愛しいっていう表現の方が適切かもしんねぇ………」
キラリ「翼………」
翼「お前にはわかんねーだろうなぁ………こんな気持ち………」
キラリ「うん………わかんない………」
キラリは気持ちを落ち着かせてから続けた。
キラリ「私なら、目の前にイケメンの王子様が現れたら………
好きで好きでたまんなくて………その王子様の過去も全て自分だけのものにしたくて、自分だけの為に生まれて来て、自分だけを見てて欲しくて………
私の事が大好きでいて欲しい………
そして………たくさん甘やかして欲しい………」
翼「ははは、お前本当に独占欲強いな!」
翼はキラリの頭にポンと手を乗せ、そして立ち上がりベランダの手すりに手をかけてそっと言った。
翼「キラリ……」
翼は続けて何かを言ったのだが、キラリはその後の言葉が聞き取れなかった。
キラリ「え?今何て?」
翼「何でもねーよ。ちょっと風呂入って来る」
キラリ「うん………」
翼……今何て言ったの?教えてよ……その後の言葉………
私には………
キラリ……
好きだよ……
そう言ったように思えたんだけど……………
まさかね……
翼がそんなこと言うはずないよね……………