キラリの恋は晴れのち晴れ!
第47話 健気な想い
翼の不在で、フラップ・フリーリーにも混乱が生じていた。
バンドのメンバーは、ヴォーカルの翼が居ない事によってライヴ活動を休止せざるを得なくなっていた。
この先翼が戻るのか否か、先行き不透明なことから、フラップ・フリーリーの方向性も定まらぬまま不安な時を過ごすことになる。
そして、キラリのレディースチームのメンバー達も、キラリが全くレディースの活動をしなくなったことに心配の声が上がっていた。
そして翼が戻って来なくなってから時は過ぎ、キラリも二学期を迎える。
薫「キラリ~、起きなさい!今日から学校だよ!」
珍しくキラリは既に目が覚めていた。
キラリ「母ちゃん………学校行きたくない………」
キラリはベッドの布団の中で目だけ出して薫に駄々をこねる。
薫「何言ってるの。ちゃんと高校ぐらいは行かなきゃダメ!せっかく今まで翼が頑張ってキラリの成績上げてくれたんだから!」
キラリ「もう勉強する意味無くなっちゃったもん………」
薫「キラリ………そうじゃないでしょ!勉強は翼の為じゃ無くて、自分自身の為なんだよ?」
キラリ「どうして?どうして私のため?私みたいな頭の悪いやつが高校出たからって、結局社会に出たらそういう扱いしかされないんじゃない?」
薫「………わかった。じゃあ学校行かなくていいよ。自分のことは自分で決めさせてあげる。行かないならさっさと学校辞めてすぐに家を出て働いてもらうよ!」
キラリ「べ……別に辞めるなんて……」
薫「キラリはいいよね………自分の人生自分で決めて選択することが出来るんだから………翼はどうだろうね………おそらく親の会社継がなきゃならなくなって連れ戻されたんだろうさ………」
キラリ「そうなの?」
薫「翼からハッキリ聞いたことは無いけど、おそらくあの子の実家は相当な大金持ちで、大企業の子息だと私は思うよ。
本来ウチなんかに居ること自体場違いなんだよ。
だから、本人がどんなに抵抗してみても、生き方を簡単に選ぶ事すら出来ないんだよ………でも、翼は言ってたよね?キラリには学校卒業して欲しいって………きっと翼は、キラリがちゃんと卒業してこれからの人生の選択肢の幅を拡げて欲しいんだと思うよ。いつか翼が再びキラリの前に現れた時に、キラリが中途半端な気持ちで今までの努力を全てドブに棄ててしまったことを知ったらどう思うだろうね………」
キラリ「母ちゃん………」
薫「別に私はいいよ………キラリの人生なんだから………いつまでも子供では居られないし………」
キラリ「母ちゃん………ゴメン………なさい………私………ちゃんと学校行く………」
薫「そう?じゃあ早く支度しないと、始業式から遅刻してたら内申にも響くぞ!」
キラリ「はい………」
翼………また………会えるかな………もし会えたとしても………次に会ったら翼は大企業の社長なのかな………
翼が凄く遠くに行っちゃったような気がする………
翼………
それからキラリは毎日学校に通い、そして帰宅後は熱心に一人で勉強に取り組んでいた。
そして、いつもいつもキラリの中で、翼がすぐ側に居るイメージをしながら妄想の中で翼に甘える。
そんなある日
うーん………ここ難しいなぁ………
キラリ「ねぇ、翼~………ここちょっとよくわかんないんだけど?」
キラリは思わずここに翼が居るものだと思って振り返った。
キラリ「あっ………」
振り返ったそこには、薫が立っていた。
薫「キラリ………」
キラリ「か……母ちゃん………」
薫はキラリが大好きなジュースを手に持っていた。
薫「キラリ、こっち来て!」
薫はキラリのベッドの上に座り、自分の横に座るように促した。
キラリは椅子から立ち上がり、ゆっくり薫の横に座る。
そして薫がキラリにジュースを手渡して、ギュッと我が子を抱き締めた。
キラリ「か……母ちゃん……?」
薫「キラリ………愛してるよ………」
キラリ「え!?」
薫は健気に翼のことを一途に想い続ける我が子がたまらなくいとおしくなっていた。
キラリ「ど………どうしたの?何か変だよ?」
薫「キラリ………寂しいだろうに………よく頑張ってるね………」
うん………だって………いつか神様は………私の前に翼を連れてきてくれるかも知れないから………
あの時翼が言ったもん………神様信じろって………
きっと………きっといつか神様が私の願い事聞いてくれて………また翼と会わせてくれるから………
だから………その時まで………ちゃんと勉強して………
そしてまた翼に言って欲しいんだもん………
キラリ………よく頑張ったね!
ほんとお前は凄いよ!
お前はほんと可愛いな!
お前みたいなの………俺は嫌いじゃないよ………
いつか………いつかまた言って欲しいんだもん………
翼………
翼に会いたい………
また優しく頭を撫でて………
そして抱き締めて欲しい………
もし今度会えたら………その時は………
私ちゃんと素直になる……………
素直になって………
ちゃんと………
翼のこと………
バンドのメンバーは、ヴォーカルの翼が居ない事によってライヴ活動を休止せざるを得なくなっていた。
この先翼が戻るのか否か、先行き不透明なことから、フラップ・フリーリーの方向性も定まらぬまま不安な時を過ごすことになる。
そして、キラリのレディースチームのメンバー達も、キラリが全くレディースの活動をしなくなったことに心配の声が上がっていた。
そして翼が戻って来なくなってから時は過ぎ、キラリも二学期を迎える。
薫「キラリ~、起きなさい!今日から学校だよ!」
珍しくキラリは既に目が覚めていた。
キラリ「母ちゃん………学校行きたくない………」
キラリはベッドの布団の中で目だけ出して薫に駄々をこねる。
薫「何言ってるの。ちゃんと高校ぐらいは行かなきゃダメ!せっかく今まで翼が頑張ってキラリの成績上げてくれたんだから!」
キラリ「もう勉強する意味無くなっちゃったもん………」
薫「キラリ………そうじゃないでしょ!勉強は翼の為じゃ無くて、自分自身の為なんだよ?」
キラリ「どうして?どうして私のため?私みたいな頭の悪いやつが高校出たからって、結局社会に出たらそういう扱いしかされないんじゃない?」
薫「………わかった。じゃあ学校行かなくていいよ。自分のことは自分で決めさせてあげる。行かないならさっさと学校辞めてすぐに家を出て働いてもらうよ!」
キラリ「べ……別に辞めるなんて……」
薫「キラリはいいよね………自分の人生自分で決めて選択することが出来るんだから………翼はどうだろうね………おそらく親の会社継がなきゃならなくなって連れ戻されたんだろうさ………」
キラリ「そうなの?」
薫「翼からハッキリ聞いたことは無いけど、おそらくあの子の実家は相当な大金持ちで、大企業の子息だと私は思うよ。
本来ウチなんかに居ること自体場違いなんだよ。
だから、本人がどんなに抵抗してみても、生き方を簡単に選ぶ事すら出来ないんだよ………でも、翼は言ってたよね?キラリには学校卒業して欲しいって………きっと翼は、キラリがちゃんと卒業してこれからの人生の選択肢の幅を拡げて欲しいんだと思うよ。いつか翼が再びキラリの前に現れた時に、キラリが中途半端な気持ちで今までの努力を全てドブに棄ててしまったことを知ったらどう思うだろうね………」
キラリ「母ちゃん………」
薫「別に私はいいよ………キラリの人生なんだから………いつまでも子供では居られないし………」
キラリ「母ちゃん………ゴメン………なさい………私………ちゃんと学校行く………」
薫「そう?じゃあ早く支度しないと、始業式から遅刻してたら内申にも響くぞ!」
キラリ「はい………」
翼………また………会えるかな………もし会えたとしても………次に会ったら翼は大企業の社長なのかな………
翼が凄く遠くに行っちゃったような気がする………
翼………
それからキラリは毎日学校に通い、そして帰宅後は熱心に一人で勉強に取り組んでいた。
そして、いつもいつもキラリの中で、翼がすぐ側に居るイメージをしながら妄想の中で翼に甘える。
そんなある日
うーん………ここ難しいなぁ………
キラリ「ねぇ、翼~………ここちょっとよくわかんないんだけど?」
キラリは思わずここに翼が居るものだと思って振り返った。
キラリ「あっ………」
振り返ったそこには、薫が立っていた。
薫「キラリ………」
キラリ「か……母ちゃん………」
薫はキラリが大好きなジュースを手に持っていた。
薫「キラリ、こっち来て!」
薫はキラリのベッドの上に座り、自分の横に座るように促した。
キラリは椅子から立ち上がり、ゆっくり薫の横に座る。
そして薫がキラリにジュースを手渡して、ギュッと我が子を抱き締めた。
キラリ「か……母ちゃん……?」
薫「キラリ………愛してるよ………」
キラリ「え!?」
薫は健気に翼のことを一途に想い続ける我が子がたまらなくいとおしくなっていた。
キラリ「ど………どうしたの?何か変だよ?」
薫「キラリ………寂しいだろうに………よく頑張ってるね………」
うん………だって………いつか神様は………私の前に翼を連れてきてくれるかも知れないから………
あの時翼が言ったもん………神様信じろって………
きっと………きっといつか神様が私の願い事聞いてくれて………また翼と会わせてくれるから………
だから………その時まで………ちゃんと勉強して………
そしてまた翼に言って欲しいんだもん………
キラリ………よく頑張ったね!
ほんとお前は凄いよ!
お前はほんと可愛いな!
お前みたいなの………俺は嫌いじゃないよ………
いつか………いつかまた言って欲しいんだもん………
翼………
翼に会いたい………
また優しく頭を撫でて………
そして抱き締めて欲しい………
もし今度会えたら………その時は………
私ちゃんと素直になる……………
素直になって………
ちゃんと………
翼のこと………