キラリの恋は晴れのち晴れ!
第8話 理想と現実
この日から私の憧れの甘~い密着家庭教師生活が始まった…
はずが…
現実はそんなに甘くはなかった…
翼はキラリに勉強を教えていたが、先ずはキラリがどの程度高校の勉強に付いて行けてるのかを見る為に教科書の出題を一つ一つ解かせてみた。
キラリが考えている間、翼はすぐにキラリのベッドに横になって小説を読み始める。
キラリ「翼~全然わかんないよ…」
翼「先ずは考えてみろ!お前がわからないことはわかっている。それでどこがわからないのか考えてみろ!」
キラリ「だから問題の意味がわかんないよ…」
翼「んー…そうだな…キラリ、先ずは小学校一年から戻っておさらいだ。そもそも勉強ってのはだな、基礎の繰り返し、積み重ねが大事なんだ。わからない所を放置してそのまま進んで行けば当然もっとわからなくなるもんだしな。
例えばRPGで言うと、レベル10でラスボスに闘いに挑んだところで、その前の雑魚キャラにさえ太刀打ち出来ねぇ!キラリは今正にそういう状況なんだよ!だから明日書店行ってドリルとか買い揃えて来るから毎日ノルマ課して猛勉強な!」
キラリ「えぇ~…そんなガチで勉強すんの~!?」
翼「あぁ!?お前…家庭教師として雇われたからには俺も仕事なんだからよ、そんなのガチでやるに決まってんだろ!それにさっきお前の母さんと話したけど、けっこう割に合う仕事だからよ。俺バイトなんかしたこと無いから他所でバイトなんかしたくねぇし、ここでこうしてお前にドリルやらしてるだけで、のんびり暮らせりゃこんな楽なことはねぇしな
俺の命運はお前にかかっている!」
キラリ「翼は本気で家庭教師やる気あんのかよ!」
翼「だから明日わざわざ教材買い揃えて来るって言ってるだろ!」
キラリ「ふ…普通はさ…隣に座って、どこかわからないところはあるか?って…いつも側で見ててくれるもんだろ?じゃなきゃ…」
翼「あ?心配すんなって、小学校一年から戻りゃ、さすがのお前もスラスラ問題が解けて勉強が楽しくなって行くからよ」
そういう問題じゃねぇよ…私は…勉強がしたいわけじゃねぇんだよ…イケメン家庭教師と…密着して…
翼「とりあえず今日は、お前の汚い机をキレイに片付けて勉強が出来る環境を作るのが先決だな!」
翼はそう言ってキラリの机を片付けだした。机の引き出しの中には、数えきれない程の0点の答案用紙が乱雑に詰め込まれていた。
翼「お前…きったねぇなぁ~…しかもこれ…ほとんど0点ばっかじゃねぇか!よくこれで高校生とか胸張って言えるよな!」
キラリは血相変えて翼から答案用紙を奪い取った。
キラリ「余計なお世話だよ!!!私だって好きで0点とってるわけじゃねぇんだよ!翼もさ!もう少し乙女心わかってくれてもいいんじゃない!?」
翼「キラリ…どうした?」
翼は本気で怒ったキラリを見て、少し圧倒されている。
キラリは素直になれないもどかしさと、甘い理想と現実のギャップに苛立(いらだ)っていた。
キラリ「もういいよ!翼のバカ!」
そう言ってキラリは家を飛び出してしまった。
翼「キラリ~!」
何でだよ…何でなんだよ…翼のやつ…何でこんなに可愛い女子高生と一緒に居るのに少しもときめいてくれないんだよ…
キラリは幼なじみの凛花の家の前に来ていた。
~一方翼は~
キラリの部屋の本棚に、唯一並べられてある少女漫画を見つけた。
〝王子様はイケメン家庭教師〟
翼はその漫画を手に取りパラパラとめくってみた。
あいつ…もしかして…
~凛花の家~
凛花「キラリ~、どうしたの?こんな時間に…翼と何かあった?」
キラリは既に夜の9時を回っていたが、唯一の理解者である凛花に救いを求めていた。
凛花もキラリが突然訪問してくることに慣れていて、いつもどんな時でも優しく迎え容れていた。キラリはうつ向いてなかなか口を開こうとしない。凛花は二人分のジュースとお菓子を用意して小さなテーブルの上に並べた。
凛花は心配そうにキラリを見つめている。
キラリ「凛花…しばらく泊めてもらえないかなぁ…」
凛花「え!?どうしたの!?翼とガチで喧嘩した!?」
キラリ「ううん…そうじゃない…そうじゃないんだけど…あいつ…やっぱ家庭教師になるって…」
凛花「良かったじゃない!キラリはイケメン家庭教師と勉強するのが憧れだったでしょ?なのに…どうした?」
キラリ「私は…別に翼のことが好きとかじゃないんだよ?絶対それは無いんだけど……家庭教師ってマンツーマンでしょ?だから…もっと側に寄り添ってくれるもんかと…なのにあいつ…すぐに私のベッドに横になって本ばかり読んで全然私のこと見てくれなくて…」
凛花「なるほどね。それでキラリは怒って出て来ちゃったんだ」
キラリ「だってさぁ~…」
そのとき薫から電話がなった。
薫「もしもしキラリ~?あんたどうしたの?さっき部屋覗いたら翼が一人であんたの部屋を片付けてて…翼に聞いたらあんた出て行っちゃったって…翼と何かあった?」
キラリ「………別に…何もないよ…」
薫「今どこに居るの?」
キラリ「凛花の家…」
薫「そっか…今から迎えに行ってあげるから帰っておいで?」
キラリ「はぁい…」
キラリはずっとテンション低く話していた。
キラリ「凛花ごめん…母ちゃん迎えに来るから帰るね…」
凛花「キラリ…」
凛花もキラリの気持ちがわかってるだけにかける言葉が見つからない。
それから5分程して薫が迎えに来た。玄関で薫と凛花の母、美夏(みか)が雑談を交わしているのが聞こえてきた。
はずが…
現実はそんなに甘くはなかった…
翼はキラリに勉強を教えていたが、先ずはキラリがどの程度高校の勉強に付いて行けてるのかを見る為に教科書の出題を一つ一つ解かせてみた。
キラリが考えている間、翼はすぐにキラリのベッドに横になって小説を読み始める。
キラリ「翼~全然わかんないよ…」
翼「先ずは考えてみろ!お前がわからないことはわかっている。それでどこがわからないのか考えてみろ!」
キラリ「だから問題の意味がわかんないよ…」
翼「んー…そうだな…キラリ、先ずは小学校一年から戻っておさらいだ。そもそも勉強ってのはだな、基礎の繰り返し、積み重ねが大事なんだ。わからない所を放置してそのまま進んで行けば当然もっとわからなくなるもんだしな。
例えばRPGで言うと、レベル10でラスボスに闘いに挑んだところで、その前の雑魚キャラにさえ太刀打ち出来ねぇ!キラリは今正にそういう状況なんだよ!だから明日書店行ってドリルとか買い揃えて来るから毎日ノルマ課して猛勉強な!」
キラリ「えぇ~…そんなガチで勉強すんの~!?」
翼「あぁ!?お前…家庭教師として雇われたからには俺も仕事なんだからよ、そんなのガチでやるに決まってんだろ!それにさっきお前の母さんと話したけど、けっこう割に合う仕事だからよ。俺バイトなんかしたこと無いから他所でバイトなんかしたくねぇし、ここでこうしてお前にドリルやらしてるだけで、のんびり暮らせりゃこんな楽なことはねぇしな
俺の命運はお前にかかっている!」
キラリ「翼は本気で家庭教師やる気あんのかよ!」
翼「だから明日わざわざ教材買い揃えて来るって言ってるだろ!」
キラリ「ふ…普通はさ…隣に座って、どこかわからないところはあるか?って…いつも側で見ててくれるもんだろ?じゃなきゃ…」
翼「あ?心配すんなって、小学校一年から戻りゃ、さすがのお前もスラスラ問題が解けて勉強が楽しくなって行くからよ」
そういう問題じゃねぇよ…私は…勉強がしたいわけじゃねぇんだよ…イケメン家庭教師と…密着して…
翼「とりあえず今日は、お前の汚い机をキレイに片付けて勉強が出来る環境を作るのが先決だな!」
翼はそう言ってキラリの机を片付けだした。机の引き出しの中には、数えきれない程の0点の答案用紙が乱雑に詰め込まれていた。
翼「お前…きったねぇなぁ~…しかもこれ…ほとんど0点ばっかじゃねぇか!よくこれで高校生とか胸張って言えるよな!」
キラリは血相変えて翼から答案用紙を奪い取った。
キラリ「余計なお世話だよ!!!私だって好きで0点とってるわけじゃねぇんだよ!翼もさ!もう少し乙女心わかってくれてもいいんじゃない!?」
翼「キラリ…どうした?」
翼は本気で怒ったキラリを見て、少し圧倒されている。
キラリは素直になれないもどかしさと、甘い理想と現実のギャップに苛立(いらだ)っていた。
キラリ「もういいよ!翼のバカ!」
そう言ってキラリは家を飛び出してしまった。
翼「キラリ~!」
何でだよ…何でなんだよ…翼のやつ…何でこんなに可愛い女子高生と一緒に居るのに少しもときめいてくれないんだよ…
キラリは幼なじみの凛花の家の前に来ていた。
~一方翼は~
キラリの部屋の本棚に、唯一並べられてある少女漫画を見つけた。
〝王子様はイケメン家庭教師〟
翼はその漫画を手に取りパラパラとめくってみた。
あいつ…もしかして…
~凛花の家~
凛花「キラリ~、どうしたの?こんな時間に…翼と何かあった?」
キラリは既に夜の9時を回っていたが、唯一の理解者である凛花に救いを求めていた。
凛花もキラリが突然訪問してくることに慣れていて、いつもどんな時でも優しく迎え容れていた。キラリはうつ向いてなかなか口を開こうとしない。凛花は二人分のジュースとお菓子を用意して小さなテーブルの上に並べた。
凛花は心配そうにキラリを見つめている。
キラリ「凛花…しばらく泊めてもらえないかなぁ…」
凛花「え!?どうしたの!?翼とガチで喧嘩した!?」
キラリ「ううん…そうじゃない…そうじゃないんだけど…あいつ…やっぱ家庭教師になるって…」
凛花「良かったじゃない!キラリはイケメン家庭教師と勉強するのが憧れだったでしょ?なのに…どうした?」
キラリ「私は…別に翼のことが好きとかじゃないんだよ?絶対それは無いんだけど……家庭教師ってマンツーマンでしょ?だから…もっと側に寄り添ってくれるもんかと…なのにあいつ…すぐに私のベッドに横になって本ばかり読んで全然私のこと見てくれなくて…」
凛花「なるほどね。それでキラリは怒って出て来ちゃったんだ」
キラリ「だってさぁ~…」
そのとき薫から電話がなった。
薫「もしもしキラリ~?あんたどうしたの?さっき部屋覗いたら翼が一人であんたの部屋を片付けてて…翼に聞いたらあんた出て行っちゃったって…翼と何かあった?」
キラリ「………別に…何もないよ…」
薫「今どこに居るの?」
キラリ「凛花の家…」
薫「そっか…今から迎えに行ってあげるから帰っておいで?」
キラリ「はぁい…」
キラリはずっとテンション低く話していた。
キラリ「凛花ごめん…母ちゃん迎えに来るから帰るね…」
凛花「キラリ…」
凛花もキラリの気持ちがわかってるだけにかける言葉が見つからない。
それから5分程して薫が迎えに来た。玄関で薫と凛花の母、美夏(みか)が雑談を交わしているのが聞こえてきた。