俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「ねぇ。
この子を早くどこか外国に放り込んで来て、お金も持たずに片道チケットで放り出せばいいから。貴方は、お金欲しいんでしょ?」

「私は、ここまで連れて来たら終わりだった筈です。早くお金を払って下さい。」
そんなやり取りが聞こえてくる。

この2人はただ、お金だけで繋がってるんだと納得した。

この高見沢さんを味方につければ逃げられる。
きっと、長くお父様の秘書をしているのなら、翔さんの事も昔から知っているのでは?

2人になる機会を待とう。

「はぁ、いいわ。
貴方に時間をあげる。
貴方がやらなくても、他の誰かに頼むから平気よ。
ただ、貴方はもう共犯者なんだからね。
お金を貰えば終わりだなんて思わない事ね。」
何処までも高飛車な態度で男を見下す。

「お腹が空いたからちょっと食べて来るわ。」
そう言って彼女は部屋を出て行った。

どこまでも幼稚で、考えの無い無謀な計画なんだろう…。
捕まってしまった自分が恥ずかしくなるほど、お粗末な計画に呆れてしまう。
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