俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「今日も良い天気。」

私の家では11月中旬から早生みかんの収穫が始まり、12月中旬から片山みかん1月からは青島みかんを収穫する。
その他にも柿やレモンも育てている。

みかん農家にとって一年を通して秋から春にかけてが1番忙しい時期になる。

「果穂ちゃん、おはよう。
今日も相変わらずのべっぴんさんだねー。」

「おはようございます。松さん今年もよろしくお願いします。」

収穫時期になると、何人か収穫の助っ人として人を雇う。
松さん事、松田さんはその中でも1番の古株で今年で10年目なる。

「果穂ちゃんがうちの孫の嫁になってくれりゃ、わしも引退出来るけん。
純とはどうね?会ったりしないのか?」

松さんの孫は私の幼馴染で、松田純と言う。地元の農協に勤めていて我が家にも顔を出す。子供の頃は意地悪ばかりされ、いつも泣かされた記憶しかない。 

「先日も肥料持って来てくれたんよ。純くん
力持ちやけん、とっても助かったよ。」

「そりゃ良かった。純と一緒になってくれたらわしももう思い残す事ないでね。」

「そんなこと言わないで。松さんが居ないとうちの収穫は回らないから、元気で長生きしてね。」

「嬉しい事言ってくれるわ。」

松さんと他に収穫を手伝ってくれる人はもうお年寄りばかりで、腰が痛かったり膝が痛かったり…なんだか申し訳ないくらい。

それでも毎年彼らに支えられてうちは成り立っている。
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