俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
夕飯はフランス料理のフルコースだと聞いて、果穂は少し緊張した面持ちでこちらを見てくるから、安心させる気持ちで微笑み返す。
「本当に…果穂さんのおかげで翔さんは人間らしく柔らかい表情になったんだわ。」
義母も若干失礼な事を言ってくるが、根っからのお嬢様育ちで、特に悪気が無い事は重々知っているので気にとめない。
「母さん、その言い方は兄さんに失礼ですよ。」
お前だって同じ様な事言ってただろ。
と心の中で悪態を吐く。
「俺の事はいいんです。それよりも、今後の果穂との事を話しに今日は来ました。
出来れば早めに籍だけでも入れたいと思っています。
結婚式もゆくゆくはやるつもりですが、身内だけの小さな物にしたいと思います。」
俺はあえて、社内通達の如く淡々と話す。