俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

みかん受賞する

朝、そう言えば昨日の電話本題は何だったんだろう?

何か話したい事があったんじゃ無かったのかな?そう思いながら朝ご飯の支度をしていると家の電話が鳴る。

「はい、間宮です。」

『間宮ファームさんですか?私、品評会の監査をしております、鈴木と申します。
朝早く申し訳ないありません。間宮勉さんいらっしゃいますか?』

「はい、少々お待ち下さい。」
昨日、てっきり連絡が来なかったので、残念ながら賞は取れなかったのだと思っていた。慌てて寝ぼけ眼の父に変わる。

「もしもし、お電話変わりました。代表の間宮勉です。」

「はい…はい……そうなんですか。
…はい、明日……午後なら選果の方に戻りますが…はい、分かりました。
よろしくお願いします。」
父が、電話の向こうに向かってお辞儀をしながら電話を切った。

「何だったの⁉︎何て言ってた?」

「ああ、うちのみかんが…農林大臣賞の下の最優秀賞取ったらしい…。」

「えっ⁉︎……凄いじゃん!!
お兄ちゃん、お兄ちゃん起こさなきゃ」
急いで2階でまだ、寝ているお兄ちゃんを起こす。

バタバタと降りて来たお兄ちゃんは、ボサボサの寝癖頭で大喜びした。

午後に、品評会会長と監事の方が2名、背広姿で家に来て、正式に祝辞をもらう。

そして、授与式は何と東京で農林大臣から直々に頂く事になり、来月初めの東京行きの切符を3枚家族渡された。

「収穫でお忙しい時期だと思いますが、東京までお越し頂きたいと思います。」
そう言って2人のお偉い方は帰って行った。

後に残された私達家族は、呆然としながら新幹線の切符を手にしばし固まって、これは夢じゃ無いかとお互い強く抱き合った。
< 42 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop