俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「これからは、独自の商品を生み出し、安定した客を付ける事が収益のアップにつながると思う。」
いつもは適当がモットーだと言う雅也が、真顔で言う。

「うちの商品は見た目重視、インスタ映え重視で、話題性はあるけどリピーターが少ないのが、ここに来て売り上げに影響しているんだと思う。」
優斗もそう言って考える。

翔は、根本的な考え方を変えなければ先は無いと危機感を持っている。

「価格を上げてでも、こだわりを重視した商品を考えなければいけないんじゃ無いか?」

三人は腕組みしながら考え込む。

「どの商品をうちの目玉にするか……。」

cafeでは、コーヒーはもちろんジュースや炭酸飲料、苺やバナナなど果物を使ったフラペチーノが売り上げを支えている。

もちろん店舗で毎朝作るサンドイッチ、クロワッサンや惣菜パンも好評で、今流行りのマリトッツォやカヌレも加わり、話題には事欠かない。

TVや雑誌、SMSでも話題のお店と取り上げられている。

少しの沈黙の後、

「ここらで原点に戻ってパフェで勝負しないか?」
翔がそう言い放つ。

「新しいスイーツが絶えない中、昔からパフェは変わらず喫茶店から消えていない。
流行りを追わず変わらない物に目を向けてそれでいて新しい、そんなパフェを作ろう。」

「なるほど!パフェね。
こだわりのある今時のパフェ…。ちょっと考えてみるよ。」
優斗が乗り気になって楽しそうに言う。

「社長、具体的に何か思い付く物はあるのか?メディアが飛びつく話題性と、それでいてリピーターがつく様なパフェ…
結構ハードル高いぞ。
季節限定パフェはファミレスでもやってるしなぁ……。」
雅也は何かアイデアは無いかと翔に問う。

絶対の信頼感を持って優斗と雅也は翔に目を向ける。
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