第3章めざせ転移門!★城下編。恋愛異世界令嬢は成り上がる!
『※※^.*トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
マイケルがヤオと立ち並ぶ
屋台街道を歩けば、
いつもとは違う鐘の音が
藩島中に響き渡る。
「とうとうシルウェステルの
鐘が鳴るころになったんだね。」
ウーリゥー藩島に今宵
鳴り響く、
高く軽やかな音色は
年越しの鐘。
「結局、今年も元世界で
『农历新年』を祝えなかったなあ。先は何時になったら戻れる
んだろ。ホントに、年末なんだ
から、ちょっと手紙を届ける
とかさ、サービスしてくれりゃ、いいのにさ大師も。」
「マイケルしゃん?」
ヤオの手を引きながら、
独り言を呟くマイケルを
見上げるヤオの瞳に、
異国情緒ある
屋台の灯りが映り込む。
ギルドエックレーシアの開催で、
普段のシルウェステルよりも
他国から渡る商人が多いのだ。
「なんでもないよ、
ヤオ。さあ、アトゥンの屋台が
あるから、ステーキ買って
帰ろう!
お客様がくるから用意と、
忙しいタヌーと
ナジールに差し入れだよ!」
「うん!おきゃくさま!」
間もなく街道は城下町に入る。
マイケルとヤオは
足早に歩みを進めた。
『トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
ワーフエリベスの生誕祭を経て、
海を不思議な現象で彩る
蜃気楼『セントミラージュ』が
終われば、
カフカス王領国に従する
ウーリゥー藩島には、
年末を意味する
『シルウェステル』がやって
来る。
「おきゃくさま、だれ?」
クリンクリンの巻き髪を揺らし、
ヤオがマイケルに聞く。
「ナジールのお友達で、お城に
使えている人。城職人なん
だって。どんな人かなあ?」
「おしろ!すごい人だよ!」
「だよねー。魔方陣を造ったり、
加工するのが得意だからって、
ナジールが、シルウェステル休暇の友達を呼んでくれたんだよ。」
マイケルが指を立てて
藩島城を示すと、
ヤオが目を見開く。
「まほうを作る!」
「ヤオは使う方が得意だもんね」
此の調整世界は
元世界と近い為か、
魔法には複雑な法則性があり、
ヤオ達の様に
潜在的に属性を持つことで、
詠唱や意識発現する
魔力とは別とされる。
(魔法は技術で、魔力は能力って
感じだよね。だから、これからはもっと専門家が必要なんだよ。)
「あ!タヌー!タヌー!」
城下の入り口に入ると、
一際シルウェステル休暇の
人混みが多くなり、
タヌー達商会の大きなテントが
見えてきた。
店先に立つのは商会長のタヌー。
「おお!ヤオ。お帰り。マイケルもお疲れだな、学校も今日で休みだろ。ほれ、持っていけ!」
「わあ、ふぃらふと!きれー。」
「タヌー、いいの?刺繍した
フィ ラフトなんて高いのに。」
ヤオのクリンクリンの巻き髪に
タヌーが戯れと、
薄い布を載せると、
ヤオがそれを頭から外して
手の持つと、眺める。
「うちを何処だと思ってるんだ?
城下商会でも一・ニを争う、
タヌー商会だ。家店子に
新しい年のフィラフトぐらい
サービスしてやれるぞ。」
そうしてマイケルにタヌーが、
わざとらしくウインクを
投げてきた。
ヤオが手にした布=フィラフト
には、
次の年の加護を受ける
守り紋が刺繍されている。
街道の屋台にも、
新しい年を守護するフィラフトを
売るテントが並んでいた。
「それにしても、複雑な魔方陣
を、こうして子供に覚えさせる
意味もあるだねー。へー。」
マイケルが言うのは
丁度ヤオがフィラフトを見ながら、
指で加護の守り魔方陣を
なぞり始めたからだ。
よく見てみると、
タヌーのフィラフトは他の
屋台売りの品よりも
柄が多い。
「そのとうり!しかも我がタヌー
商会が売るフィラフトはな、
その年の加護紋だけじゃないぞ」
「じゃ、この周りにある紋様は、
意味があるってこと?」
「もちろん!各々の属性を再現
した文様だ。どうだ為になる
だろ?あ、ご婦人!タヌー商会
特性フィラフトは如何!」
マイケルにドヤ顔をしたタヌーは
すかさず前を歩く客に、
フィラフトを手に声掛けをする。
(属性ってことは、火水風に
光と闇の紋様ってことか。)
マイケルがタヌーの商品を
何気なく見る間に、
ヤオは布をポケットへと仕舞って
瞳を輝かせながら、
タヌーの呼び込みを真似する。
(商会長が自ら、テント売りって
どうなのかとは思うけれど、
それだ商売人ってことね。
華人としては好ましいわ。)
どの世界も
年の切り替えは
慌ただしくも華やかな空気で、
マイケルは
行き交う巡礼者や、冒険者、
他国へと出ていた商人等を
今度は注意深く見つめる。
『※※^.*トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
王都への出入口となる、
バリアロードを有する
ツッチーナ地区。
其処に立つ、
巨大なワーフ・エリベス像が
片手に握る銛飾りに、
年の終わりを告げる
シルウェステルの鐘はある。
「マイケル!今戻ったのか?
オヤジ!ヤオに呼び込みとか
させるなよ!全く。
ほらハーバナ、話していた
マイケルだ。今、俺達の別棟に
住んでいる。こっちのちっこい
クリンクリンがヤオ。」
いつの間にか、
マイケル達の前にタヌーの息子
ナジールが髪の長い青年を連れて
立っていた。
ナジールがヤオの頭をクシャリと
撫でる。
「はじめてなの!ハーバナ!」
「やあヤオ、よろしく。そして
君がマイケルか。ナジールから
聞いていたよ。よろしく。」
濃い髪色と瞳を持つ青年。
魔力が多い事がマイケルにも
容易にわかる。
「マイケルです。こちらこそ、
よろしく。せっかくのシルウェ
ステルに、なんだか悪いわ。」
マイケルは片手を差し出し、
髪の長い青年、ハーバナと握手を
交わす。
2人のやり取りを見て、
ナジールが呆れた声を割り込ませた。
「何がだよマイケル。ハーバナは
いつもシルウェステルには家に
顔を出すんだ。全然構わない」
「おいおい、僕の休暇を勝手に
決めつけないでよ。まあ、
いつもナジールの所へ寄せて
もらうのは合っているから、
マイケルも気にしないで。」
そんな風に笑うハーバナに
城務めらしい物腰の柔さを
感じてマイケルも笑顔を返す。
今回の客人ハーバナは、
タヌーとナジールにマイケルが
水龍の骨の扱いを調べたいと
願った事から
紹介されるに至る。
「ありがとう。そう言ってもらえると有り難いわ。ナジールから
聞いているかもだけれど、色々
相談したいことがあるから。」
城務めの技術者ハーバナ。
「任せて。実は楽しみにして来た
んだ。さっそくタヌー商会だね」
マイケルの言葉に、
まるで時間を惜しむかの勢いで
前のめりでハーバナが
意気込む。
そんなハーバナを再びナジールが
体を割り込ませて、
「待て待て!ハーバナ、相変わらずだな。先にマイケル達とディナーだぞ。オヤジ!先に行くぞ。」
止めに入ると、後ろでフィラフトを売りまくる父親タヌーに
叫んだ。
(魔道具制作のスペシャリスト
息子ナジール。)
時間が立つに連れて、
城下町の人混みは益々膨れ上がる。
「そうだね!アトゥンのステーキも屋台で買ってんだわ。皆んな
で食べよう。ヤオ!行くよ。」
マイケルは片手に持つ袋を
ナジールに見せ、
タヌーの元こらヤオを連れ
戻す。
「タヌー!あとでね。」
(そして分解構造解析の能力を持つ、目抜通りの商会長タヌー。)
「おうよ、ヤオ!」
「じゃあ、此のシルウェステルも、世話になるよ、ナジール。」
(ハーバナという助っ人も揃った。)
「もちろん!いくぞ!」
マイケルの瞳が強い光を宿し、
藩島城へと注がれる。
シルウェステルが間は不夜城の
如く光が灯される場所。
(ここから、水龍の骨で城商人を
目指してみせる!!まずは、
ギルドエックレーシアで
試作品をデビューだわ!
待ってなさいよ!大師っ!!)
『※※^.*トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
マイケルがヤオと立ち並ぶ
屋台街道を歩けば、
いつもとは違う鐘の音が
藩島中に響き渡る。
「とうとうシルウェステルの
鐘が鳴るころになったんだね。」
ウーリゥー藩島に今宵
鳴り響く、
高く軽やかな音色は
年越しの鐘。
「結局、今年も元世界で
『农历新年』を祝えなかったなあ。先は何時になったら戻れる
んだろ。ホントに、年末なんだ
から、ちょっと手紙を届ける
とかさ、サービスしてくれりゃ、いいのにさ大師も。」
「マイケルしゃん?」
ヤオの手を引きながら、
独り言を呟くマイケルを
見上げるヤオの瞳に、
異国情緒ある
屋台の灯りが映り込む。
ギルドエックレーシアの開催で、
普段のシルウェステルよりも
他国から渡る商人が多いのだ。
「なんでもないよ、
ヤオ。さあ、アトゥンの屋台が
あるから、ステーキ買って
帰ろう!
お客様がくるから用意と、
忙しいタヌーと
ナジールに差し入れだよ!」
「うん!おきゃくさま!」
間もなく街道は城下町に入る。
マイケルとヤオは
足早に歩みを進めた。
『トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
ワーフエリベスの生誕祭を経て、
海を不思議な現象で彩る
蜃気楼『セントミラージュ』が
終われば、
カフカス王領国に従する
ウーリゥー藩島には、
年末を意味する
『シルウェステル』がやって
来る。
「おきゃくさま、だれ?」
クリンクリンの巻き髪を揺らし、
ヤオがマイケルに聞く。
「ナジールのお友達で、お城に
使えている人。城職人なん
だって。どんな人かなあ?」
「おしろ!すごい人だよ!」
「だよねー。魔方陣を造ったり、
加工するのが得意だからって、
ナジールが、シルウェステル休暇の友達を呼んでくれたんだよ。」
マイケルが指を立てて
藩島城を示すと、
ヤオが目を見開く。
「まほうを作る!」
「ヤオは使う方が得意だもんね」
此の調整世界は
元世界と近い為か、
魔法には複雑な法則性があり、
ヤオ達の様に
潜在的に属性を持つことで、
詠唱や意識発現する
魔力とは別とされる。
(魔法は技術で、魔力は能力って
感じだよね。だから、これからはもっと専門家が必要なんだよ。)
「あ!タヌー!タヌー!」
城下の入り口に入ると、
一際シルウェステル休暇の
人混みが多くなり、
タヌー達商会の大きなテントが
見えてきた。
店先に立つのは商会長のタヌー。
「おお!ヤオ。お帰り。マイケルもお疲れだな、学校も今日で休みだろ。ほれ、持っていけ!」
「わあ、ふぃらふと!きれー。」
「タヌー、いいの?刺繍した
フィ ラフトなんて高いのに。」
ヤオのクリンクリンの巻き髪に
タヌーが戯れと、
薄い布を載せると、
ヤオがそれを頭から外して
手の持つと、眺める。
「うちを何処だと思ってるんだ?
城下商会でも一・ニを争う、
タヌー商会だ。家店子に
新しい年のフィラフトぐらい
サービスしてやれるぞ。」
そうしてマイケルにタヌーが、
わざとらしくウインクを
投げてきた。
ヤオが手にした布=フィラフト
には、
次の年の加護を受ける
守り紋が刺繍されている。
街道の屋台にも、
新しい年を守護するフィラフトを
売るテントが並んでいた。
「それにしても、複雑な魔方陣
を、こうして子供に覚えさせる
意味もあるだねー。へー。」
マイケルが言うのは
丁度ヤオがフィラフトを見ながら、
指で加護の守り魔方陣を
なぞり始めたからだ。
よく見てみると、
タヌーのフィラフトは他の
屋台売りの品よりも
柄が多い。
「そのとうり!しかも我がタヌー
商会が売るフィラフトはな、
その年の加護紋だけじゃないぞ」
「じゃ、この周りにある紋様は、
意味があるってこと?」
「もちろん!各々の属性を再現
した文様だ。どうだ為になる
だろ?あ、ご婦人!タヌー商会
特性フィラフトは如何!」
マイケルにドヤ顔をしたタヌーは
すかさず前を歩く客に、
フィラフトを手に声掛けをする。
(属性ってことは、火水風に
光と闇の紋様ってことか。)
マイケルがタヌーの商品を
何気なく見る間に、
ヤオは布をポケットへと仕舞って
瞳を輝かせながら、
タヌーの呼び込みを真似する。
(商会長が自ら、テント売りって
どうなのかとは思うけれど、
それだ商売人ってことね。
華人としては好ましいわ。)
どの世界も
年の切り替えは
慌ただしくも華やかな空気で、
マイケルは
行き交う巡礼者や、冒険者、
他国へと出ていた商人等を
今度は注意深く見つめる。
『※※^.*トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』
王都への出入口となる、
バリアロードを有する
ツッチーナ地区。
其処に立つ、
巨大なワーフ・エリベス像が
片手に握る銛飾りに、
年の終わりを告げる
シルウェステルの鐘はある。
「マイケル!今戻ったのか?
オヤジ!ヤオに呼び込みとか
させるなよ!全く。
ほらハーバナ、話していた
マイケルだ。今、俺達の別棟に
住んでいる。こっちのちっこい
クリンクリンがヤオ。」
いつの間にか、
マイケル達の前にタヌーの息子
ナジールが髪の長い青年を連れて
立っていた。
ナジールがヤオの頭をクシャリと
撫でる。
「はじめてなの!ハーバナ!」
「やあヤオ、よろしく。そして
君がマイケルか。ナジールから
聞いていたよ。よろしく。」
濃い髪色と瞳を持つ青年。
魔力が多い事がマイケルにも
容易にわかる。
「マイケルです。こちらこそ、
よろしく。せっかくのシルウェ
ステルに、なんだか悪いわ。」
マイケルは片手を差し出し、
髪の長い青年、ハーバナと握手を
交わす。
2人のやり取りを見て、
ナジールが呆れた声を割り込ませた。
「何がだよマイケル。ハーバナは
いつもシルウェステルには家に
顔を出すんだ。全然構わない」
「おいおい、僕の休暇を勝手に
決めつけないでよ。まあ、
いつもナジールの所へ寄せて
もらうのは合っているから、
マイケルも気にしないで。」
そんな風に笑うハーバナに
城務めらしい物腰の柔さを
感じてマイケルも笑顔を返す。
今回の客人ハーバナは、
タヌーとナジールにマイケルが
水龍の骨の扱いを調べたいと
願った事から
紹介されるに至る。
「ありがとう。そう言ってもらえると有り難いわ。ナジールから
聞いているかもだけれど、色々
相談したいことがあるから。」
城務めの技術者ハーバナ。
「任せて。実は楽しみにして来た
んだ。さっそくタヌー商会だね」
マイケルの言葉に、
まるで時間を惜しむかの勢いで
前のめりでハーバナが
意気込む。
そんなハーバナを再びナジールが
体を割り込ませて、
「待て待て!ハーバナ、相変わらずだな。先にマイケル達とディナーだぞ。オヤジ!先に行くぞ。」
止めに入ると、後ろでフィラフトを売りまくる父親タヌーに
叫んだ。
(魔道具制作のスペシャリスト
息子ナジール。)
時間が立つに連れて、
城下町の人混みは益々膨れ上がる。
「そうだね!アトゥンのステーキも屋台で買ってんだわ。皆んな
で食べよう。ヤオ!行くよ。」
マイケルは片手に持つ袋を
ナジールに見せ、
タヌーの元こらヤオを連れ
戻す。
「タヌー!あとでね。」
(そして分解構造解析の能力を持つ、目抜通りの商会長タヌー。)
「おうよ、ヤオ!」
「じゃあ、此のシルウェステルも、世話になるよ、ナジール。」
(ハーバナという助っ人も揃った。)
「もちろん!いくぞ!」
マイケルの瞳が強い光を宿し、
藩島城へと注がれる。
シルウェステルが間は不夜城の
如く光が灯される場所。
(ここから、水龍の骨で城商人を
目指してみせる!!まずは、
ギルドエックレーシアで
試作品をデビューだわ!
待ってなさいよ!大師っ!!)
『※※^.*トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン
トゥララアーーーーーン※^.*』