第3章めざせ転移門!★城下編。恋愛異世界令嬢は成り上がる!
★未来で数年越しに吐露される
「ラジ、覚えてる?マイケルがギルドのラボで、公開錬術をした日の事。」
リドの回想は途切れて、
意識はカフカス王帝領国に構える、
海を統べるギルドの支店へと
戻る。
カフカス王帝領風な重厚な様式を
建物に取り入れた長室。
いまだウーリウ藩島のギルド本店と
繋げた魔力回線で、
リドとラジの2人の会話が
行われ続けていた。
「リドがマイケルと会って直ぐに、連絡を寄越した、あの日か?忘れるわけがない。」
魔力回線の向こうから聞こえる
ラジの低音な声にリドは、
頭頂で纏めたストレートブラウンヘアーを
コックリと縦に揺らして
話続ける。
「よね!わたしだって、後にも先にも、あんなに興奮した経験はないわ!!魔術なんて殆ど知らない、魔力なしのマイケルが、藩島城きっての術師ハーバナに激を飛ばしながら複数の綿密魔法陣を展開させて、書き換えや、合成をさせるのよ!」
「水龍の骨に魔力を付加させる術式の可視化、、よくそんな考えに至ったものだと関心した。我らでさえ感覚で魔力を使う。他者への付加であっても、体得訓練で出来るようになるのだから。」
「子ども達に教えるのも、魔力の使い方がほとんどだもの。そりゃね、職人や技術者としてなら別よ。マイケルのあの感性は、持って生まれたものなのかしら?」
リドは日焼けしたスラリと伸びる腕を、
通信ウインドウの前で再び折り曲げ
頬杖を付く。
「ワズに1度だけ、ヤツ専用の鑑定眼鏡をマイケルに覗かせた事があるらしい。その時に、考えたと話していたが、、陣の様子には、マイケルは何か法則があると感じたのだろう。」
ウインドウの向こうでラジは、
精悍な顔を考え深そうな表情に変えた。
そんな
元英雄のラジの益荒男を、
リドはウインドウ越しにラジの眉間に指を立てる
悪戯をして微笑む。
「でなきゃ、あんな指示は出来ないわね。そもそも、わたしだって、初めて見たわ!複数の陣が可視化して展開されるなんて光景。あれは、もう、、そうねまるで 鮮烈なピロテクニマが幾つも、ラボの空に展開されたみたいだったわ。」
「ああ、、そうだ。そんな神々しい風景だった。、、、しかし、、魔力とは、、何処からくるものか、、か、、いつかの会議で、マイケルが予言した前兆が、、今回の魔力減退現象なのかもしれぬ。」
ウインドウの向こうで、
ラジが鬣の髪を揺らしながら
さらに表情を硬くして、リドを見つめる。
「ガルゥヲン皇子のような世継ぎの出現も?」
リドはほっそりとした指に
横に置いていたパイプを再び絡ませ、
赤い艶のある唇に管を添える。
そして、
紫の煙を細く吐きつつ、
ラジに 何気ない質問を投げ掛けた。
「いや、ガルゥヲン皇子は変異現象ではない、強いて言うならば遺伝だろう。」
「?、、、」
しかしラジから返された内容に
リドは一瞬、躊躇う。
「遺伝? 王弟将軍直々から生まれた皇子よ?本来なら膨大な魔力持ちでしょ?ねぇ、なら母親の遺伝という言葉かしら?でもテュルク将軍が起こした奇跡の受胎でしょ、、、じゃ、、ないの。」
「・・・・」
「もしかして、母親がいたわけ、、」
ギルドの支店がある
宮殿通りが窓から見下ろせ、
リドは
先程の急な雨が止んでいる事に
気がついた。
「王弟将軍の腹から直接生まれ奇跡から、母胎の話は当時から皆無だった。余りの信じられない状況に、神話の再来と王領国が賑わったが、それ以上の奇跡も起きていた故に立ち消えたとうのが正解だろう。」
リドが、執務室のウインドウから
窓の外へと視線を移す。
空には大きな虹が出ていたのだ。
「旧ウーリュウ藩島の夜明け。突然、藩島が虚空に浮いたもんだからね。まるで、空に現れた虹みたいに。」
リドの呟きに、
「マイケル。じゃないかと思う。」
ラジが突然、これまで口にしてこなかった事を
リドに告げる。
「!!、、あの子がいたら、今のカフカスを見たら何て言うかしらね。」
リドも敢えて、ラジの言葉に驚きもせず
窓に掛かる虹を見つめた。
2人だけの遣り取りだからこそ、
夫ラジが吐露した心内だと解っている。
そんなリドの様子を、
執務机に置かれたウインドウから見るラジが、
「元英雄なぞ、何も役に立たんものだ。」
己の額に片手を当てて、珍しく悩んだ様子を
己の妻に見せた。
リドの回想は途切れて、
意識はカフカス王帝領国に構える、
海を統べるギルドの支店へと
戻る。
カフカス王帝領風な重厚な様式を
建物に取り入れた長室。
いまだウーリウ藩島のギルド本店と
繋げた魔力回線で、
リドとラジの2人の会話が
行われ続けていた。
「リドがマイケルと会って直ぐに、連絡を寄越した、あの日か?忘れるわけがない。」
魔力回線の向こうから聞こえる
ラジの低音な声にリドは、
頭頂で纏めたストレートブラウンヘアーを
コックリと縦に揺らして
話続ける。
「よね!わたしだって、後にも先にも、あんなに興奮した経験はないわ!!魔術なんて殆ど知らない、魔力なしのマイケルが、藩島城きっての術師ハーバナに激を飛ばしながら複数の綿密魔法陣を展開させて、書き換えや、合成をさせるのよ!」
「水龍の骨に魔力を付加させる術式の可視化、、よくそんな考えに至ったものだと関心した。我らでさえ感覚で魔力を使う。他者への付加であっても、体得訓練で出来るようになるのだから。」
「子ども達に教えるのも、魔力の使い方がほとんどだもの。そりゃね、職人や技術者としてなら別よ。マイケルのあの感性は、持って生まれたものなのかしら?」
リドは日焼けしたスラリと伸びる腕を、
通信ウインドウの前で再び折り曲げ
頬杖を付く。
「ワズに1度だけ、ヤツ専用の鑑定眼鏡をマイケルに覗かせた事があるらしい。その時に、考えたと話していたが、、陣の様子には、マイケルは何か法則があると感じたのだろう。」
ウインドウの向こうでラジは、
精悍な顔を考え深そうな表情に変えた。
そんな
元英雄のラジの益荒男を、
リドはウインドウ越しにラジの眉間に指を立てる
悪戯をして微笑む。
「でなきゃ、あんな指示は出来ないわね。そもそも、わたしだって、初めて見たわ!複数の陣が可視化して展開されるなんて光景。あれは、もう、、そうねまるで 鮮烈なピロテクニマが幾つも、ラボの空に展開されたみたいだったわ。」
「ああ、、そうだ。そんな神々しい風景だった。、、、しかし、、魔力とは、、何処からくるものか、、か、、いつかの会議で、マイケルが予言した前兆が、、今回の魔力減退現象なのかもしれぬ。」
ウインドウの向こうで、
ラジが鬣の髪を揺らしながら
さらに表情を硬くして、リドを見つめる。
「ガルゥヲン皇子のような世継ぎの出現も?」
リドはほっそりとした指に
横に置いていたパイプを再び絡ませ、
赤い艶のある唇に管を添える。
そして、
紫の煙を細く吐きつつ、
ラジに 何気ない質問を投げ掛けた。
「いや、ガルゥヲン皇子は変異現象ではない、強いて言うならば遺伝だろう。」
「?、、、」
しかしラジから返された内容に
リドは一瞬、躊躇う。
「遺伝? 王弟将軍直々から生まれた皇子よ?本来なら膨大な魔力持ちでしょ?ねぇ、なら母親の遺伝という言葉かしら?でもテュルク将軍が起こした奇跡の受胎でしょ、、、じゃ、、ないの。」
「・・・・」
「もしかして、母親がいたわけ、、」
ギルドの支店がある
宮殿通りが窓から見下ろせ、
リドは
先程の急な雨が止んでいる事に
気がついた。
「王弟将軍の腹から直接生まれ奇跡から、母胎の話は当時から皆無だった。余りの信じられない状況に、神話の再来と王領国が賑わったが、それ以上の奇跡も起きていた故に立ち消えたとうのが正解だろう。」
リドが、執務室のウインドウから
窓の外へと視線を移す。
空には大きな虹が出ていたのだ。
「旧ウーリュウ藩島の夜明け。突然、藩島が虚空に浮いたもんだからね。まるで、空に現れた虹みたいに。」
リドの呟きに、
「マイケル。じゃないかと思う。」
ラジが突然、これまで口にしてこなかった事を
リドに告げる。
「!!、、あの子がいたら、今のカフカスを見たら何て言うかしらね。」
リドも敢えて、ラジの言葉に驚きもせず
窓に掛かる虹を見つめた。
2人だけの遣り取りだからこそ、
夫ラジが吐露した心内だと解っている。
そんなリドの様子を、
執務机に置かれたウインドウから見るラジが、
「元英雄なぞ、何も役に立たんものだ。」
己の額に片手を当てて、珍しく悩んだ様子を
己の妻に見せた。