キミの言葉で、人生に光が灯りました。

リレーの練習が始まり、みんなは次々にバトンを渡され走っていく。


先頭を見ると、税所くんが走っている。


……やっぱり、速いんだなぁ。



「がんばれー!」



「負けるなー!」



応援する声が混ざりに混ざって、にぎやかな練習になっている。


わたしも、走る番になった。


バトンを受け取って走ったものの、わたしはそこまで走るのが得意じゃないため、少し後ろにいた女の子に抜かされてしまった。


勢いよく走っても、そのことの差が縮まることなく、どんどん開いて、彼女の姿は小さくなっていく。


やっと走り終わった時には、当然前で走っていた子はとっくにゴールにいて、もうすぐ後ろで走っている子も到着しそうだ。


わたしは、思わずため息をつく。


……やっぱりダメか。まあ、そうだよね。運動部の人だっているんだし、そんな人に帰宅部のわたしが勝てっこないよ。




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