キミの言葉で、人生に光が灯りました。

「なんのやつ食べてるの?」



優衣が、斉藤くんに聞いていた。



「ん? 俺?」



斉藤くんのクレープは、よく見るとブルーベリーソースとラズベリーのクレープ。
新しいメニューのだ。


そうやって考えると、わたし以外全員新しいメニューのクレープを選んだということか……なんだか、場違い半端ないなぁ。



「よかったら、水菓子さんと白鳥さんも、俺のクレープ食べる? みんなで食べ比べるのもいいと思うよ」



爽やかな笑顔を浮かべる斉藤くん。



「え、いいの? じゃあ遠慮なく」



満面の笑みを咲かせる優衣。



「水菓子」



急に、税所くんが呼んできた。なぜだか彼は、決まり悪そうにしている。



「どうかしたの?」



「いや、時間大丈夫かなって思って……」



「あっ……」



そういえば、クレープを買うために並んでいた間も結構な時間だったし、ここでのんびりしていたら、帰る時間はいつもよりかなり遅くなってしまう。


うちは、お兄ちゃんの介護もあるというのに、わたしがここで時間をたっぷり使って遊んでばかりいるわけにはいかない。



「じゃあ、ごめんね! わたし、もう帰る!」



わたしは、クレープを抱えながら帰り道へと歩いた。



「そっか、じゃあねー!」



「バイバーイ!」



手を振る斉藤くんと優衣。



「明日な!」



明日な。
税所くんの言葉が、明日を楽しみにさせる魔力があったように感じた。




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