キミの言葉で、人生に光が灯りました。
「うぎゃあー!」
家のドアを開けると、耳をつんざくような大声が響いた。
お兄ちゃんの声だ。
お兄ちゃんは、何が嫌なのかを詳しく言葉で話すことはできないから、基本声の大きさで表現する。
だから、お兄ちゃんが耳をつんざくくらいの大声を出すということは何か気に入らないことがおきたサインだ。
お兄ちゃんがこの声を出したということは、何か気に入らないことがあるサイン。
思わず、わたしは顔をしかめたけれど、心の状態を整えてから、わたしはお兄ちゃんとお母さんに声をかける。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「ああ、花。ご飯が熱かっただけみたい、大丈夫よ」
お母さんは、なんでもないという顔をして答えた。
何が大丈夫なの。
そんな大声をあげて、大丈夫なわけないじゃない。
「ご飯? 今?」
しかも、夜ご飯までにはまだ時間がある。それなのに、なぜお兄ちゃんはご飯を今食べているの?
「お腹空いちゃったのよねぇ、大丈夫。軽めにしているから、夜ご飯食べられなくなるくらいのもんじゃないわよ」
そう言って、お兄ちゃんに再びご飯を食べさせるお母さん。
わたしは、ただただ、お兄ちゃんとお母さんを見つめるしかなかった。
「花、お風呂掃除、お願いしていいかしら?」
「……わかった」
わたしは、自分の部屋にバッグを捨てるように置いてから、お風呂場へ向かった。