一途な一匹狼に片想いしてます
第1章 隣の彼は一匹狼
「ふわぁぁ……ねむ……」
数学の授業中、隣から大きな欠伸と眠そうな声が聞こえてくる。
たぶん、この学校では知らない人はいないだろう。
隣の席の彼は有名だから―――
―――もちろん、悪い意味で。
金髪で、耳にはピアス。
制服も気崩していて、授業中はいつも寝ている。
彼の校則違反はいくつ耳にしたか分からない。
先生たちももう諦めてしまっているようだった。
そんな彼の名前は、梶野祥吾くん。
去年は同じクラスではなかったけれど、高校に入ってすぐに彼の存在を知った。
これだけ目立っているから、彼を知らないと答える方が難しいと思う。
そして―――
高2になった今、彼と同じクラスになりました。
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