一途な一匹狼に片想いしてます



また呆れ顔を向けるモモちゃん。
なんだ、冗談だったのか。

「若菜のことだから、また梶野でしょ?」
「うん!かっこいいよねえ、梶野くん!」

どこがよ、と返す冷たいモモちゃんの声なんて聞こえない。

ふふっ、また梶野くん、欠伸してる。
今日は本当に眠いんだなあ。

じーっと梶野くんを見ていると、突然視界が真っ黒になった。

「えっ!?ちょっと、モモちゃん!見えない!」
「うん、見えないようにしてるもん」

わたしの視界を覆ったのは、モモちゃんの手だった。
せっかくの梶野くんが真っ暗で見えない!



< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop