一途な一匹狼に片想いしてます
「それともこっち見る?あたし、一応問3解いてあるよ」
そう言って今度はノートを見せた。
すると、ますます眉間にしわを寄せた梶野くん。
梶野くんがこんな表情すること分かってたのに、あたしって、懲りないヤツかもしれない。
「………ふわぁ」
そして、眠気が耐えられないのか、もう一度大口を開けると
梶野くんは、そのまま机に突っ伏してしまった。
あっ、寝ちゃった。まだ答えてないのに。
「まったく、梶野はしょうがないヤツだな。仕方がない。代わりに村田、解いてみろ」
「えぇっ!わ、わたし!?」
「そうだ、わたしだ。村田が話しかけて眠ったようなもんだからな」
梶野くんは最初から眠そうだったし。
わたしが話しかけたから、眠った訳じゃないのに。
……たぶん。
でも、隣の席で呑気に寝息を立てて眠っている彼を見たら、当てられたことをあまり怒れなくなってしまった。
なんて、彼はこんな無防備に寝ているんだ。