一途な一匹狼に片想いしてます
第2章 そして、好きな人
「ちょっと若菜!若菜ってば!」
梶野くんの背中をボーっと見ていると、呆れながらわたしの体を揺らすのはモモちゃんだった。
「……へ?モモちゃん、どうしたの?」
「どうしたのじゃないでしょ!まったく」
はぁ、と溜息を吐いたモモちゃんは、目の前に座った。
「あんなヤツのどこがいいのか、私には全然理解できないわ」
モモちゃんには梶野くんの良さが分からないらしい。
あんなにかっこよくて、素敵なのに。
わたしがどんなに彼の良さを熱弁しても、理解できない、の一点張りなのだ。
「だってさ、なんか怖いじゃん」
「え?怖い?」
「若菜は怖くないわけ?梶野のこと」
梶野くんが、怖い……?
確かに目つきとか鋭くて、たまにそう思うことはあるけど……