結婚相手は義兄でした~追想のハルジオン
私の最古の記憶は、この家に来た時のことだ。
「今日からあなたは、ここの家の子よ」
豪邸の門の前で、優しく微笑む両親。
そして私の隣には手をしっかり繋いでくれていた、一人の男の子。
その日から、私の人生が始まった。
*
あれから二十年以上の時が経った。
私は普通に大学を出て就職し、ごく普通の生活をしていた。
まぁ少し特殊ではあるのだが。
「吉村さん、ちょっといい?」
「はい、何でしょうか?」
にこやかな笑顔を浮かべながら、私の所に来たのは、私が勤めるこの会社『ノースエレクトリック株式会社』の社長である北大路社長だ。
北大路社長こと北大路浩之氏は、まだ二十七歳。
この若さで社長が務まっているのは、会社の親会社である『北大路工業』の御曹司であり、跡継ぎであるからだ。
ただ彼は、仕事はかなり出来る。ボンクラな御曹司ではない。
彼が来る前までこの会社は赤字続きだったらしいが、彼が社長に就任してからは見事に巻き返している。一年で赤字は無くなり、二年で見事黒字に転換させた。
「今日からあなたは、ここの家の子よ」
豪邸の門の前で、優しく微笑む両親。
そして私の隣には手をしっかり繋いでくれていた、一人の男の子。
その日から、私の人生が始まった。
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あれから二十年以上の時が経った。
私は普通に大学を出て就職し、ごく普通の生活をしていた。
まぁ少し特殊ではあるのだが。
「吉村さん、ちょっといい?」
「はい、何でしょうか?」
にこやかな笑顔を浮かべながら、私の所に来たのは、私が勤めるこの会社『ノースエレクトリック株式会社』の社長である北大路社長だ。
北大路社長こと北大路浩之氏は、まだ二十七歳。
この若さで社長が務まっているのは、会社の親会社である『北大路工業』の御曹司であり、跡継ぎであるからだ。
ただ彼は、仕事はかなり出来る。ボンクラな御曹司ではない。
彼が来る前までこの会社は赤字続きだったらしいが、彼が社長に就任してからは見事に巻き返している。一年で赤字は無くなり、二年で見事黒字に転換させた。
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