僕の特技は秘密です
「こっちの都合なのに車出してもらっちゃってごめんねー!ほんと何から何まで助かっちゃう!」
「山切村は母の実家があるので、よく行くから道も慣れてるし、気にしないでください。」
大学の入学祝いに買ってもらったBMWの白のSUVの後部座席に沙紀さんを促すと、後ろのハッチを開け橘から荷物を受け取る。
「車見るとやっぱり社長の息子感あるよなぁー」
と、橘が車を撫でながら言う。
「…そうかなぁ。」
僕はあまり車に関心が無いので、父の行きつけの販売店へ行き、学生さんにはSUVが人気だからと、勧めらるがままに購入した。
運転するのは嫌いじゃない。だから、奈緒と付き合っていた時もこの車でよく出掛けていた。
学生が持つ様な車ではないので、それなりに実家に余裕がある事は気づかれていたと思うが、『月の華リゾート』の社長の息子とは思っていなかっただろう。
社長の息子というラベリングを付けて付き合うのは嫌だった。
生まれながらに社長の息子な訳ではなかったし、父親の会社も徐々に拡大していったので、両親も自分も金持ちとしての価値観が備わっていないのだ。
橘が助手席に座り込んだので出発することにした。
「山切村は母の実家があるので、よく行くから道も慣れてるし、気にしないでください。」
大学の入学祝いに買ってもらったBMWの白のSUVの後部座席に沙紀さんを促すと、後ろのハッチを開け橘から荷物を受け取る。
「車見るとやっぱり社長の息子感あるよなぁー」
と、橘が車を撫でながら言う。
「…そうかなぁ。」
僕はあまり車に関心が無いので、父の行きつけの販売店へ行き、学生さんにはSUVが人気だからと、勧めらるがままに購入した。
運転するのは嫌いじゃない。だから、奈緒と付き合っていた時もこの車でよく出掛けていた。
学生が持つ様な車ではないので、それなりに実家に余裕がある事は気づかれていたと思うが、『月の華リゾート』の社長の息子とは思っていなかっただろう。
社長の息子というラベリングを付けて付き合うのは嫌だった。
生まれながらに社長の息子な訳ではなかったし、父親の会社も徐々に拡大していったので、両親も自分も金持ちとしての価値観が備わっていないのだ。
橘が助手席に座り込んだので出発することにした。