僕の特技は秘密です
ホテルでランチを終えた後、3人で車に乗り込み秋魂神社へ向かった。
カーナビが示した場所は、祖父母の家から歩いて10分ほどのところある神社だった。
まさに、僕と『つーちゃん』が遊んでいた神社だった。
まだ、ここに住んでいるのだろうか??
会えるかもしれないという期待が募る。
神社につくと鳥居のすぐそばに神社の由来が書かれた看板があり、早速、沙紀さんが写真を撮りだす。
普段はテンション高く明るくキャッキャとしているが、神社についたその場で仕事向きの顔になる。
...さすがだなぁ。
と感心した。
看板に書かれた神社の伝承によれば、いまだに悪霊が封印されているそうだ。
しかし、しっかりと封印されているならば、悪霊が境内をさまようことは無いのではと思うのだが…。
「僕の祖父母の家がここから近いんですよ。子どもの頃、年の近い女の子がいてよくここに遊びに来てましたよ。」
「へぇ~。もしかして昔から心霊スポットで有名なの??」
写真を撮りながら沙紀さんが言う。
「いや、子どもの頃はそんな話まったく聞かされたことないですね。子どもが怖がるから内緒にしていただけかもしれませんが…。」
「でも、一条って昔から幽霊的なやつ見えてたんだろ??」
「あぁ、見えてたけど、子どもの頃に遊んでいた時はそんなの気づかなかったなぁ。」
「ってことは、霊がさまよい始めたのって最近なのか?」
「かもしれない。僕は専門家ではないから…。」
参道を進むと『つーちゃん』とよく遊んだ池が見えた。
石橋に出る幽霊とはおそらくこの池にかけられた橋のことなのだろう。
あ…。頭にイメージが…。
「今、あの池の石橋の上に女性の姿が見えました。」
「えっ!ほんとに??デジカメで撮ったら映ったりするかしら?どのあたり??」
「二つ目の柱のあたりです。」
沙紀さんは、僕が指さした方を何枚も写真を撮った。
しかし、直ぐにディスプレイを見て確認しても画像にあるのは池と橋のみで怪しいものは何も映っていなかった。
あ…。なんだろう。いつもと違う。
「…あの。僕が見るのって、なんか、こう、そこにあるデータを読み込んで頭の中に動画を再生する感じなんです。なので、データがそこにある限りもう一度見ようとするとリプレイされるイメージなんですが…。なんか、なくなっちゃいました。」
「子どもの頃説明されてもピンとこなかったが、一条が良く言っていた世間一般の幽霊って表現と少し違うってのが、今なんとなくわかった。つまりあれだろ?カードリーダーやスキャナーみたいなもんだろ??」
「そうそう。だからよく言われる幽霊みたいに動画の音声のような音は聞こえることはあっても、こっちに話しかけてくることは無くて…。ずっとそこでCMのように動画が再生されている感じなんだけど…。今の女性はデータが消えたようになくなってしまった。」
「つまり、あれか?動画を読み込もうとしたら『データが存在しません。』的な感じか?」
「そうそう、そんな感じ。」
「じゃぁ、女性の幽霊はもう現れないの??」
「…どうなんでしょう。こういう事は今まで経験がなくて…。」
カーナビが示した場所は、祖父母の家から歩いて10分ほどのところある神社だった。
まさに、僕と『つーちゃん』が遊んでいた神社だった。
まだ、ここに住んでいるのだろうか??
会えるかもしれないという期待が募る。
神社につくと鳥居のすぐそばに神社の由来が書かれた看板があり、早速、沙紀さんが写真を撮りだす。
普段はテンション高く明るくキャッキャとしているが、神社についたその場で仕事向きの顔になる。
...さすがだなぁ。
と感心した。
看板に書かれた神社の伝承によれば、いまだに悪霊が封印されているそうだ。
しかし、しっかりと封印されているならば、悪霊が境内をさまようことは無いのではと思うのだが…。
「僕の祖父母の家がここから近いんですよ。子どもの頃、年の近い女の子がいてよくここに遊びに来てましたよ。」
「へぇ~。もしかして昔から心霊スポットで有名なの??」
写真を撮りながら沙紀さんが言う。
「いや、子どもの頃はそんな話まったく聞かされたことないですね。子どもが怖がるから内緒にしていただけかもしれませんが…。」
「でも、一条って昔から幽霊的なやつ見えてたんだろ??」
「あぁ、見えてたけど、子どもの頃に遊んでいた時はそんなの気づかなかったなぁ。」
「ってことは、霊がさまよい始めたのって最近なのか?」
「かもしれない。僕は専門家ではないから…。」
参道を進むと『つーちゃん』とよく遊んだ池が見えた。
石橋に出る幽霊とはおそらくこの池にかけられた橋のことなのだろう。
あ…。頭にイメージが…。
「今、あの池の石橋の上に女性の姿が見えました。」
「えっ!ほんとに??デジカメで撮ったら映ったりするかしら?どのあたり??」
「二つ目の柱のあたりです。」
沙紀さんは、僕が指さした方を何枚も写真を撮った。
しかし、直ぐにディスプレイを見て確認しても画像にあるのは池と橋のみで怪しいものは何も映っていなかった。
あ…。なんだろう。いつもと違う。
「…あの。僕が見るのって、なんか、こう、そこにあるデータを読み込んで頭の中に動画を再生する感じなんです。なので、データがそこにある限りもう一度見ようとするとリプレイされるイメージなんですが…。なんか、なくなっちゃいました。」
「子どもの頃説明されてもピンとこなかったが、一条が良く言っていた世間一般の幽霊って表現と少し違うってのが、今なんとなくわかった。つまりあれだろ?カードリーダーやスキャナーみたいなもんだろ??」
「そうそう。だからよく言われる幽霊みたいに動画の音声のような音は聞こえることはあっても、こっちに話しかけてくることは無くて…。ずっとそこでCMのように動画が再生されている感じなんだけど…。今の女性はデータが消えたようになくなってしまった。」
「つまり、あれか?動画を読み込もうとしたら『データが存在しません。』的な感じか?」
「そうそう、そんな感じ。」
「じゃぁ、女性の幽霊はもう現れないの??」
「…どうなんでしょう。こういう事は今まで経験がなくて…。」