僕の特技は秘密です
グロテスクな事故現場などでしつこく繰り返されるイメージを意図的に見えないように『データの乱数による上書き』のようなことをしたことは何度かあったが、ピリピリとした何かは存在したままだった。

今回のようにきれいになくなってしまうことは、子どもの頃からの体験を振り返ってみても初めてだった。

しかも、一瞬女性と目が合ったが、自分の意思でここを離れた（消えた）ようにも見えた。
そして、もう一つ気になることがあった。なんとなくだが幼いころの記憶にだけにある、母とは別人の母。椿の花を髪に飾ってくれている母の顔にその女性のイメージが重なり、何か関係があるのだろうか？？と一瞬よぎった。

その後、せっかく神社に来たので参拝を済ませ、おみくじを引くために社務所へ向かった。

『つーちゃん』を探して社務所内を見渡したが、残念ながら見つけることはできなかった。

もう少しここにいたら、彼女と会えるのではないか。という後ろ髪を引かれる思いもあったが個人的な理由なので、沙紀さんの取材を終えたところで駐車場へ向かい、村を一周しながらホテルに戻った。
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