僕の特技は秘密です
龍の目玉を石橋に戻し、出てきた地図はスマホで写真に撮ってアプリで共有した。

「俺、興奮して手が震えてきた。これ、専門家に連絡を入れた方がいいんじゃねーか?」
「僕もその方がいいと思ってた。」

つーちゃんにクリアフォルダを1枚持っていてもらい、汚れないように地図を挟む。

「つーちゃんのお父さん、コレを専門家に鑑定してもらってください。」

「専門家に渡すって…。何処に持っていけば良いのか…。取り敢えず、村長にでも見せてみるかぁ…。」

ファイルを受け取ると机の引き出しにしまった。

「この地図の場所に封印された悪霊と刀が眠ってるんだな。」
「あぁ、あと一息だ。」
「なんだかワクワクするね!お父さん、その地図なくさないでよっ!」

時間はまだあったので、そのまま地図をもとに探すことはできたが、専門家に地図を渡す話になったので、専門家の下に地図に記されている場所へ行こうという話になった。
なので、その時が決まったら連絡をもらえるようにお願いしておき、本日のトレジャーハンターごっこは終了だ。

やっとゆっくり、つーちゃんと話ができる。

つーちゃんは先日案内してくれた社務所の奥にお茶とお菓子を用意し、僕と橘をもてなしてくれた。

「おばあちゃんから教わった歌にこんな秘密があったなんて今でも信じられない…。」

つーちゃんも一緒にお茶を飲みながら一息つく。

「ほんとだね。僕も驚いたよ。橘の好奇心の強さにも驚いたけど…」
「俺はお前と違って、基本、面白そうなものにはすぐ食いつくじゃん!」
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