僕の特技は秘密です
声のする方を振り向くと、和服の女性が立っていた。

「いた。」

「えっ!?」

僕が見つめている方につーちゃんも目を向ける。

「あなたは誰ですか?どうしてここに?」

僕はイメージの方を向いて話しかけてみる。
今までこんなとこをした事はない。
だって、TVや動画に話しかける奴なんていない。

つーちゃんの時は生きている人間だと思っていた。しかし、この和服の女性は、読み取りの力によって見えているものだと確かにわかる。

(きよし)さん…。私です。紅葉(もみじ)です。』

そう答える、和服の女性は消えてしまった。
また、ピリピリとしたイメージの痕跡も何もかも無くなっている。

「…誰かわかった?」

「ははっ、わかったような…。わからないような?紅葉さんって女の人が僕を清さんって呼んで、君を楓と呼んでいた…。」

何が何だか…。さっぱりわからなかった。
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