僕の特技は秘密です
介護施設にはつーちゃんと2人でで行きたかったのに、話が気になるからと橘もついて来た。
同じ村にある介護施設はゆったりとした時が流れているようだった。
歳をとって施設に入るなら、都会の病院のような施設より、ここのような自然に囲まれた施設の方が良いな。と感じた。
介護士さんに案内され、面会室を兼ねたカフェテリア風の部屋に入った。
広めにできており、大家族全員や親族で面会に来ても問題なさそうだった。
飲み物はカップで出てくるタイプの自販機でフリードリンクとなっていたので、つーちゃんの分と2つ、カップをテーブルへと運ぶ。
暫くすると、お婆さんが介護士さんに車椅子を押されてやってきた。
どこか遠く、一点を見つめている様子を見ると、やはり痴呆が進んでいるのだろう。
「お婆ちゃん、私よ。椿。わかる??」
暫く待って見るが返事は返ってこない。
ダメかも…。という視線を僕に向ける。
「初めまして。僕は椿さんの友人の一条と申します。今日は椿さんのお婆さんに聞きたいことがあってこちらに伺いました。」
お婆さんの耳に届くようにと、ゆっくり、滑舌良く、普段より大きめの声で話しかけた。
しかし、反応はなかった。それでも、僕は話を続けた。
「今日はお婆さんのお母さんの『楓』さんのお話を聞きに来たんです。」
『楓』という名前を聞き、一瞬だけ視線が動いた気がした。
同じ村にある介護施設はゆったりとした時が流れているようだった。
歳をとって施設に入るなら、都会の病院のような施設より、ここのような自然に囲まれた施設の方が良いな。と感じた。
介護士さんに案内され、面会室を兼ねたカフェテリア風の部屋に入った。
広めにできており、大家族全員や親族で面会に来ても問題なさそうだった。
飲み物はカップで出てくるタイプの自販機でフリードリンクとなっていたので、つーちゃんの分と2つ、カップをテーブルへと運ぶ。
暫くすると、お婆さんが介護士さんに車椅子を押されてやってきた。
どこか遠く、一点を見つめている様子を見ると、やはり痴呆が進んでいるのだろう。
「お婆ちゃん、私よ。椿。わかる??」
暫く待って見るが返事は返ってこない。
ダメかも…。という視線を僕に向ける。
「初めまして。僕は椿さんの友人の一条と申します。今日は椿さんのお婆さんに聞きたいことがあってこちらに伺いました。」
お婆さんの耳に届くようにと、ゆっくり、滑舌良く、普段より大きめの声で話しかけた。
しかし、反応はなかった。それでも、僕は話を続けた。
「今日はお婆さんのお母さんの『楓』さんのお話を聞きに来たんです。」
『楓』という名前を聞き、一瞬だけ視線が動いた気がした。