僕の特技は秘密です
ベッドで泣いているといつの間にか眠ってしまったようだった。
旺介くんが空想の友達だった頃は辛い事、困ったことがあると『どうしたらいいんだろう?』と問いかけるだけだったが、彼が現実に現れてしまった今では声が聞きたくてスマホに手が伸びそうになる。
…でもダメ。
旺介くんには『雅さん』って彼女がいるのだ。
今回は頼ってはダメ。
スマホを見つめていると、大ちゃんから電話がかかってきた。
「…もしもし。」
『もしもし。椿?もう話聞いた?』
「うん。ほんとうちのお父さんはあり得ない!大ちゃんにまで迷惑かけちゃってごめんね。」
『…別に。迷惑じゃない。』
「えっ?」
『…迷惑なんて思ってない。俺。結婚していいよ。ずっと椿のこと好きだったし。』
「大ちゃんまで何言って…」
『俺、真面目に言ってるよ。』
あぁ…。ダメだ…。家族から裏切られた後に友人からも裏切られた気分だ…。
「大ちゃん、ごめん。私、今までそういうふうに大ちゃんのこと考えたことなかったから…。」
『あぁ。気付いてる。知ってた。別に返事は急がない。俺たち受験もあるし…。』
「…うん。」
『今までは考えた事なかったなら、これから考えて。それだけ言いたかった。…じゃあ。おやすみ。』
「おやすみなさい。」
大ちゃんは言いたい事を言うだけ言って通話を切った。
もう、頭の中はぐちゃぐちゃだ…。
旺介くんが空想の友達だった頃は辛い事、困ったことがあると『どうしたらいいんだろう?』と問いかけるだけだったが、彼が現実に現れてしまった今では声が聞きたくてスマホに手が伸びそうになる。
…でもダメ。
旺介くんには『雅さん』って彼女がいるのだ。
今回は頼ってはダメ。
スマホを見つめていると、大ちゃんから電話がかかってきた。
「…もしもし。」
『もしもし。椿?もう話聞いた?』
「うん。ほんとうちのお父さんはあり得ない!大ちゃんにまで迷惑かけちゃってごめんね。」
『…別に。迷惑じゃない。』
「えっ?」
『…迷惑なんて思ってない。俺。結婚していいよ。ずっと椿のこと好きだったし。』
「大ちゃんまで何言って…」
『俺、真面目に言ってるよ。』
あぁ…。ダメだ…。家族から裏切られた後に友人からも裏切られた気分だ…。
「大ちゃん、ごめん。私、今までそういうふうに大ちゃんのこと考えたことなかったから…。」
『あぁ。気付いてる。知ってた。別に返事は急がない。俺たち受験もあるし…。』
「…うん。」
『今までは考えた事なかったなら、これから考えて。それだけ言いたかった。…じゃあ。おやすみ。』
「おやすみなさい。」
大ちゃんは言いたい事を言うだけ言って通話を切った。
もう、頭の中はぐちゃぐちゃだ…。