雨と僕。

雨と雰囲気

登校1日目。
周りの人たちとはまだ喋れていない。喋りにくいのだ。
この津河舞高校(つがまいこうこう)は学力は高いし、校則も他の学校と比べれば比較的緩いので人気だ。
学力は高いことからきっとみんな真面目だろう、いじめなんか起こらないだろう、そう思っていた。

しかし現実は、そんな僕の勝手な考えとは真反対の世界だった。

女子はほとんどの生徒が彼氏持ち。男子だって同じことが言えるだろう。
髪を染めてもいいので、みんな茶髪に染めて、一部の女子なんかヘアアイロンをかけてクルクルのカールになっているのだ。
つまり、「流行りに乗っている」という生徒たちが集まってしまっていたのだ。

流行りに乗っていない僕なんか部外者でしかない。周りからは透明人間のように扱われているのだ。
そんな調子なので友達なんか1人もいない。

これじゃあいじめを受けていた中学校の頃と一緒じゃないか。
そう思うと辛くなるのだった。
< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop