ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
真っ暗な中、東堂は、若葉が出て行ってから、ソファーで仰向けに寝そべっている。左腕で目を覆い隠していた。

ガチャリ

扉が開き、パッと部屋の明かりがついた。佐野が入って来た。

「なんだなんだ?真っ暗にして。電気くらいつけろよ。」

「・・・。」

「晩飯まだだろ?買ってきたから一緒に食おうぜ。」

「・・・。」

「東堂?どうした?」

佐野が心配そうに東堂の顔を覗き込んだ。

「フラれた・・・。」

「え?河合さんに?お前、何したんだよ。」

「何もしてない。」

「やっぱ、写真撮られたのがまずかったか?」

「いや、それじゃない。」

「じゃあ、理由はなんだ?」

「ごめんなさいって言うばかりで分からなかった。」

「ということは、お前に非はないんじゃないか?」

「え?」

「普通は理由があるだろ。気持ちが冷めたとか嫌いになったとか、他に好きな人が出来たとか、浮気されたとか。でも、そういう事じゃなく、ただ、謝ってたってことは、向こうに非があるんだよ。」

「佐野…天才だな。」

と言って、東堂は上半身を起こした。

「お前が疎いだけだよ。」

「まぁ、とりあえず食べよう…いったっ!!誰だよ、こんなとこにペン置いたやつ。」

と言って、足で踏んだペンを佐野が拾った時、ペンの近くに、封筒が落ちているのが目に入った。

「あれ?このペン、女もの?それに、なにこの封筒?」

佐野が長方形の封筒を拾い、中身を取り出した。

「これって・・・。」

中身を見て、佐野が言った。

「フラれた原因、これなんじゃないか?」

東堂は、ソファーからむくりと立ち上がった。
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