ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
翌朝

佐野が出勤すると、すぐに顧問弁護士から連絡が入った。
佐野は、秘書にこの後のアポはキャンセルさせ、すぐに顧問弁護士の事務所へ向かった。

「さすが、仕事が早いですね。助かります。」

佐野が言うと、

「いえいえ、たまたまあっちに知り合いもいましてね。」

と、顧問弁護士が言った。

「とりあえず、この資料はお渡しは出来ませんが、見て頂くのは構いませんので。」

「ええ、もちろんです。個人情報ですもんね。」

と言って、佐野は渡された資料に目を通し始めた。

佐野は黙ったまま、一枚一枚丁寧に読んでいった。
佐野が一通り目を通し終えるタイミングで、お茶を出された。

「ありがとうございます。非常に助かりました。」

佐野は顧問弁護士に資料を返しながらお礼を言った。

「いやあ、佐野さんからこんな依頼を受けるなんて驚きましたよ。」

「ちょっと、事情がありまして。」

「まあ、いずれにしても有野グループとはあまり関わらない方が賢明かと。」

「ええ。これを見てよく分かりました。ありがとうございました。」

佐野は、ぐいっとお茶を飲み干すと、弁護士事務所を後にした。
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