ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
廊下の曲がり角で、仲居たちが集まってきゃあきゃあ言っている。

「かっこい~!!」

「やっぱり東京の人はシュッとしてるねえ!!」

「あの二人、背も高いし、スタイルもいいし、顔も完璧!」

「素敵~!!」

通りかかった仲居頭が不審に思い、

「何してるの!あなたたち!仕事は?」

と言うと、

「見てくださいよ!彼ら!!」

仲居頭が角から廊下を覗くと、

佐野と東堂が、写真を撮ったり、廊下の幅を測ったりしていた。

「男前が二人も揃うとすごいわね。」

と、仲居頭も思わずぽろっと本音が出た。仲居頭は慌てて、

「さあさあ、みんな仕事に戻りなさい!」

と、仲居たちに喝を入れると、自分も仕事に戻った。

佐野と東堂が一通り、旅館の写真や寸法を測り終えると、部屋で、向かい合わせで、
ノートPCを開き、佐野は、写真や寸法の打ち込み作業を。東堂は、ゲームのキャラクターや、
背景を作り始めた。

佐野が一通り入力し終えると、会社のクリエーターチームの共有ファイルにデータを
入れた。

「東堂、始めるぞ。」

と、佐野が言うと、東堂も、

「俺も出来た。今から送る。」

と言った。

佐野はベリーズソフト精鋭のゲームクリエーターのメンバーたちに、

今している仕事を一旦中断してください。
2週間でオンラインゲームを制作します。
東堂の指揮の下、直ちに作業を開始してください。

と、入れた。


それを見たゲームクリエーターたちは、

「2週間??普通は1か月かかるでしょ。」

「了解!」

「俄然燃えてきました!」

「相変わらず無茶苦茶ですね。」

「OK」

と、各々文句を言いながらも、作業に取り掛かってくれた。
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