ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
「坂本君、片付けるよ。」

「はい!」

と、2人で会議室の片付けに取りかかった。

「その辺で大丈夫ですよ。あとは、こちらでやっておきますので。とりあえず仮契約の手続きをするので、そうだな、東堂の部屋空いてたよな?」

と言って、佐野さんが東堂さんを見る。

「ああ。」

「じゃあ、東堂、先に河合さん達と、部屋に行っといてくれ。」


私と坂本君は、東堂さんの後ろを付いて行き、東堂さん専用の部屋に案内された。

部屋の前まで来ると、坂本君が、

「河合さん、先に会社に連絡入れてきていいですか?僕、このあと同行あったんですけど、無理そうなんで断って来ます。」

「ごめんね、お願い。」

「はい。」

と言ってから、坂本君は、歩いてきた通路を引き返した。

東堂さんが扉を開け、

「どうぞ。」

と言って先に若葉に部屋に入るよう促した。

「失礼します。」

と言って、部屋に入った。

部屋は、うちの会社の社長室より広く、20畳はありそうだ。とても一社員の個室とは思えないレベルだった。

大きな応接用のソファーセットが置いてあり、奥にはゲーム作成用のPCも5台、1台の椅子に対して取り囲むように設置してあった。
窓も大きく、部屋全体が明るかった。部屋に圧倒され、立ちすくむ若葉に東堂さんが声を掛けた。

「河合若葉さん?」

「え?あっ、はい!」

若葉は、我に返り慌てて返事をした。
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