ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする

突然の告白


ふわふわする。

ああ、気持ちいい。

今何時だろう・・・。あれ、私寝る前にメイク落としたかな・・・。

あ、そうだ、今日は東堂さんとデートして食事してそれから・・・

それから?!


若葉はぱちっと目を開け飛び起きた!!

周りを見ると、広い部屋に高級な調度品、明らかに自分が今ホテルのスイートルームのベッドにいることが分かった。
広い。とにかく広い。そして、部屋全体が高級感極まりない。

「え?なんで?」

と、若葉が呟くと、カチャリと扉が開き、明らかに今しがたシャワーを浴び終えたと分かる、ガウン姿の東堂さんが、頭にタオルをかぶり、片手で髪を拭きながら入って来た。ガウンの胸元からチラリと見えた胸板は程よく鍛えられていて、髪を拭く腕もしっかりと筋肉が張っていた。ゲームクリエーターという肩書きと、服を着ていた時は長身でスラッとしていてスタイルが良く、全体的に細く見えていたので、まさかこんなにも着痩せする細マッチョタイプだとは思ってもみなかった。
ただでさえ、憧れの人が近くにいて、しかもこんなにも素敵で。
若葉は今の状況がすぐには判断出来なかった。

「あっ、起きた?」

と、東堂さんが言った。
若葉は色気たっぷりの東堂さんを直視出来ず、そのままベッドの上ですぐさま土下座した。

「あ、あの、この度は申し訳ございません!!」

東堂さんは笑顔で、

「いや、飲ませ過ぎた僕も悪かったし。それより、気分はどう?」

「大丈夫です!私、東堂さんにかなりご迷惑をおかけしましたよね。」

恥ずかしすぎて若葉は顔が上げられない。

「いや、本当に迷惑とかかかってないから。足元がふらついてたから、このまま
帰す方が危ないと思って、急遽部屋を取ったんだよ。」

「ということは、ここはベリーズホテルのスイートルームですか?。」

と、若葉はゆっくりと顔を上げ恐る恐る聞いた。

「うん。金曜ってこともあって他の部屋が満室でね。」

「・・・。」

若葉は言葉が出なかった。国賓やセレブが泊まるホテルだ。しかもスイートルームである。一泊〇十万ではきかない。
想像しただけでめまいがしそうだ。若葉は思わず本音が漏れた。

「私の事なんて…その辺に捨て置いていただいてよかったのに。」

「そんなわけにいかないよ。」

と、東堂が少し笑いながら言った。

「あの…お部屋代と食事代なんですが…。」

「ああ、支払いは済んでるから、ゆっくりしていこう。もう電車も動いてないしね。」

「え?今何時ですか?」

と、若葉が聞くと、東堂は、ベッドサイドの時計を見て、

「1時30分だね。」

と答えた。

「あの…私どのくらい眠ってたんでしょうか?」

と聞くと、東堂は経緯を話し始めた。
< 27 / 128 >

この作品をシェア

pagetop