ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
「君が飲み足りないって言うんで、食事の後、そのままここのホテルのラウンジに移動して、営業終了の24:00まで飲んで。で、ちょっとこのまま帰すのは危ないと思って、部屋を取ったんだよ。かなりふらついてたからね。座ってる時は普通だったから僕もそこまで酔ってるとは気づかなくて。」
「すごく楽しかったことは覚えてるんですが…。」
「うん、楽しそうに飲んでたよ。それで僕も止められなくて。ちゃんとストップかけて家まで送るべきだったって反省してるよ。申し訳なかった。」
と言って、東堂は軽く頭を下げた。
「そんな、東堂さんは何も悪くないです!全部私の責任です。気になさらないでください。」
と言うと、若葉はもう一度深く頭を下げた。
「いや、本当に謝らなくていいから。」
「こんなこと初めてで・・・。自分の飲める量も把握しているので、こんな失態するなんて・・・。」
と、若葉が落ち込みながら言うと、
「君にとっては失態だったかもしれないけど、僕は君の意外な一面を知ることが出来たし、長い時間君と話せて
本当に楽しい時間だったよ。」
「本当に優しいですね。東堂さんは。それに紳士だし。」
と、若葉が無邪気に言うと、
「僕が優しくするのは君にだけだよ。とりあえず、君に手を出さなかったことを褒めてほしいよ。これでも必死で
我慢したんだ。」
と、東堂が言った。若葉はとても驚いた。東堂の表情を見るが、本気なのか冗談で言っているのか分からない。
しかし瞬時に若葉は、こんなすごい人が自分なんか相手にするわけがないという結論に達した。
「東堂さんでもそんな冗談おっしゃるんですね。」
と、照れを誤魔化し笑いながら言うと、東堂は、若葉のいるベッドに片膝と手をつき、身体を半身ベッドに乗り上げた。
そして真剣な眼差しで、
「これでも君にかなりアプローチしてきたんだけど、まだ僕が君に本気って分からない?」
と言った。
若葉はまさか東堂の口からそんな言葉が出てくるとは思っておらず、目を丸くして驚いた。