ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
報告
コンコンコン
「はいどうぞ。」
「やっぱり。今日もここだと思ったよ。」
「どうした?急ぎか?」
東堂は、休日出勤をしているであろう佐野がいる社長室へ行った。
東堂の予想通り、佐野は休日出勤していた。
「今、いいか?」
東堂が、部屋に入りながら佐野に聞いた。
「ああ、ちょうど一段落したところだ。」
と言って、佐野はデスクの上のノートパソコンをパタンと閉じると、壁際のカウンターに置いてある
エスプレッソマシーンの方へ行こうとした。
東堂がすかさず、手で制し、
「いや、俺が入れるよ。」
と言って壁際のカウンターに向かった。
東堂の部屋と同じく、佐野の部屋にも、壁際のカウンターにカプセル式のコーヒーメーカーや、
エスプレッソマシーンが陳列されていた。コーヒーメーカーは主に来客用で、
東堂と佐野の二人がよく使うのは、エスプレッソマシンの方だった。
誰よりも忙しい二人にとって、手っ取り早くカフェインを摂取するための必需品だった。
東堂は慣れた手つきで紙カップを二つ取り出すと、エスプレッソマシーンのボタンを押した。
2人分のエスプレッソが出来上がると、東堂はローテーブルまで運び、佐野と向かい合わせになる形でソファーに座った。