ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
駅前の正面には、24時間営業のディスカウントストアがあり、男性は精密機械用の細くて小さいドライバーを含んだ
セットを購入した。

若葉が払うと言ったが、直せるか分からないので、直せた時でいいですと断られた。

それから二人で、同じ駅前に隣接する、24時間営業のファミレスに入った。

始発まで時間を潰す若い人達や、勉強をしている人、本を読んでいる人、別れ話がもつれて揉めている恋人同士など、
ちらほらとさまざまなお客が入っていた。

若葉たちは、窓側の席に座ると、とりあえず、ドリンクバーを二人分頼んだ。

男性はすぐにパソコンを裏返し、ドライバーで下面のカバーのネジを外し、中を確認した。

「やっぱり。思った通りだ。」

「あの、直せそうですか?」

若葉は恐る恐る聞いた。

「ええ。多分直せます。ただ、ちょっと部品交換しないといけないので、ちょっと取ってきます。」

と、言って男性が席を立ったので、

「あの、取ってくるって?」

と、若葉は慌てて聞いた。男性は、

「うち、近所なんです。古い使ってないPCがあるのでそこから必要な部品を
回します。」

と、言った。

「え?そんなわけには・・・。」

「急ぐんですよね?とりあえず応急処置ってことでやってみます。
すぐ戻ってきますので、ここで待っていてください。出来れば何か注文してください。
ドリンクバーだけで席を占領するのは気がひけるので。」

確かに気が引ける。それに私は残業で晩御飯を食べそびれていた。

「分かりました。では、何か食べて待ってます。よろしくお願いします。」

と、言って頭を下げた。
とりあえず、若葉は言われるまま男性の言葉に甘えることにした。
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