ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
両親は、話が終わると、すぐに部屋を出た。

最終的には、とにかく、一度会って、断るならその後にしてほしいということで、押し切られた。

来週、若葉はお見合いのため、実家に帰ることとなった。
予想外の両親の来訪と話の内容にどっと疲れが押し寄せた。

ブブブ!

携帯が鳴った。

見ると東堂さんからだった。
若葉は嬉しくなった。
若葉はすぐに電話に出ると、

「ごめん、さっき会ったばっかりなのに。今大丈夫?」

と、東堂の優しい声が耳に響いた。

「はい。」

「さっき佐野から連絡が来て。僕が若葉さんの仕事の邪魔しないようにって、明後日から出張入れられて。」

と、東堂が申し訳なさそうに言った。

「ふふふ。佐野さんらしいですね。どちらに行かれるんですか?」

「海外なんだよ。ロスで大規模なゲームイベントがあって。うちの会社も参加するから、それに行ってくる。」

「分かりました。期間はどれくらいですか?」

「1週間くらいかな。毎週末会いたかったんだけど、来週会えなくなってしまった。」

若葉は正直ほっとした。来週お見合いに行かなければならないからだ。
このことは東堂には絶対に話せない。

「出発前に会いたいんだけど、明日時間取れるかな?」

「はい!」
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