ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする

悩む若葉

翌日、東堂が海外出張へ出発し、若葉はその日から退社すると、友人の経営コンサルタントに
連絡を取り、実家の旅館のことを色々と相談した。融資の条件にお見合いの話をもちかけられていることも
包み隠さず話した。
若葉自身でも出来る範囲で調べてみたが、融資してくれそうな銀行はみつからなかった。
友人の経営コンサルタントは大学時代からの友人で親身になっていろいろと調べてくれたが、
返ってきた答えは、

「融資してくれる銀行も企業もない。現実的に銀行を納得させる返済計画を立てるのは難しい。」

ということだった。そして、出た結論は、

「旅館を存続させたいのなら有野ホテルグループがの融資、もしくは買収の話に乗るしか道はない。」

ということだった。

「いろいろとありがとう。」

と、お礼を言って電話を切った。

冬英さんの不在の間に他の方法を見つけて、お見合いの席できっぱりお断りする予定だったが、
やっぱり、このお見合の話受けるしかないのか・・・。

若葉は天井を仰いだ。
若葉の目じりから涙の粒が流れ落ちた。

冬英さんが帰国したらお別れを言うしかないの??・・・。


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