ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
和葉の決心
2人は談話室の椅子に、テーブルを挟んで向かい合わせで座った。
「本当はお父さんもお母さんも旅館をなんとか続けたかったんだけど、お見合いも断ったし、貸してくれる銀行も
見つからなかったから、うちの旅館、廃業する方向で動き出したんだけど・・・。」
「え?やっぱりお母さん、旅館続けたかったんだね。」
若葉はそう言うと、持っていたアイスティーの缶をぐっと強く握った。
「でも、子供に不幸な結婚させてまで旅館続けたいなんて思ってないわよ。」
「うん。それは感じた。」
「でね、お父さんとお母さんが、不動産会社に山と旅館の購入が出来ないかとか、
M&Aでどこかいいところがないかあちこち回ったんだけど・・・。
なぜかどこも相手にしてくれなくて。」
「え?どういうこと?」
「どこも門前払いだったらしいの。」
「それってもしかして・・・。」
「うん。おそらく有野社長が手を回してるんじゃないかと思うの。」
「なんで?なんでそこまで嫌がらせされないといけないの?」
「それは・・・。」
と言いかけて、和葉は黙った。話すべきかどうか迷っている様子だった。
若葉はそんな姉に、
「実はさっき、お姉ちゃんと有野社長が一緒にいるところ見っちゃって・・・。」
と告げた。
「そっか・・・。実はお母さん個室に入れてもらってて。有野社長が手配してくれたの。」
「なんで?お母さんが倒れたこと連絡したの?」
「逆よ。有野社長からお母さんが倒れたって連絡をもらったの・・・。」
「え?お母さん、有野社長と会ってたの?」
「そうみたい・・・。」
若葉は混乱した。お母さんにとっては、幼馴染かもしれないが、
私たちからしてみれば、今は有野社長は敵みたいなものだ。
「有野社長が何か裏で手を回したんじゃないかって疑念を確認するためにお母さん、一人で有野社長に
会いに行ったの。で、ホテルのロビーで倒れたって連絡をもらって。有野社長がすぐに救急車を呼んでくれて、
うちにも連絡くれて。」
「そうだったんだ。」
「向こうのホテルに迷惑をかけたから、改めてお詫びに行かないと。」
「それでさっき有野社長と話してたのね。」
「ええ。」
「でも、それだけじゃないでしょ?」
「聞こえてたのね・・・。」
若葉の耳には二人の会話はほとんど聞こえていなかったが、頷いて見せた。
「私、離婚して有野社長のところに行くわ。」
和葉から耳を疑うような衝撃的な言葉が飛び出した。
「本当はお父さんもお母さんも旅館をなんとか続けたかったんだけど、お見合いも断ったし、貸してくれる銀行も
見つからなかったから、うちの旅館、廃業する方向で動き出したんだけど・・・。」
「え?やっぱりお母さん、旅館続けたかったんだね。」
若葉はそう言うと、持っていたアイスティーの缶をぐっと強く握った。
「でも、子供に不幸な結婚させてまで旅館続けたいなんて思ってないわよ。」
「うん。それは感じた。」
「でね、お父さんとお母さんが、不動産会社に山と旅館の購入が出来ないかとか、
M&Aでどこかいいところがないかあちこち回ったんだけど・・・。
なぜかどこも相手にしてくれなくて。」
「え?どういうこと?」
「どこも門前払いだったらしいの。」
「それってもしかして・・・。」
「うん。おそらく有野社長が手を回してるんじゃないかと思うの。」
「なんで?なんでそこまで嫌がらせされないといけないの?」
「それは・・・。」
と言いかけて、和葉は黙った。話すべきかどうか迷っている様子だった。
若葉はそんな姉に、
「実はさっき、お姉ちゃんと有野社長が一緒にいるところ見っちゃって・・・。」
と告げた。
「そっか・・・。実はお母さん個室に入れてもらってて。有野社長が手配してくれたの。」
「なんで?お母さんが倒れたこと連絡したの?」
「逆よ。有野社長からお母さんが倒れたって連絡をもらったの・・・。」
「え?お母さん、有野社長と会ってたの?」
「そうみたい・・・。」
若葉は混乱した。お母さんにとっては、幼馴染かもしれないが、
私たちからしてみれば、今は有野社長は敵みたいなものだ。
「有野社長が何か裏で手を回したんじゃないかって疑念を確認するためにお母さん、一人で有野社長に
会いに行ったの。で、ホテルのロビーで倒れたって連絡をもらって。有野社長がすぐに救急車を呼んでくれて、
うちにも連絡くれて。」
「そうだったんだ。」
「向こうのホテルに迷惑をかけたから、改めてお詫びに行かないと。」
「それでさっき有野社長と話してたのね。」
「ええ。」
「でも、それだけじゃないでしょ?」
「聞こえてたのね・・・。」
若葉の耳には二人の会話はほとんど聞こえていなかったが、頷いて見せた。
「私、離婚して有野社長のところに行くわ。」
和葉から耳を疑うような衝撃的な言葉が飛び出した。