ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
朝5:30

若葉は、

「ん~。」

と、伸びをしながら目を覚ました。


資料が完成し、ホッとした瞬間、どうやら眠ってしまったようだった。

前を見ると、昨日の男性の姿はなかった。

テーブルには、支払い済みのレシートが置かれていた。時間を見ると05:02となっていた。ついさっき帰ったようだった。その横に置かれた紙コースターには、ボールペンでメッセージが書かれていた。


おはようございます。
仕事があるのでお先に失礼します。もし、またお会いすることがあれば、今日のお礼にデートしてください。
プレゼンの成功を祈っています。
     PCを修理した男より


と、書かれていた。

若葉はふっと笑顔になった。本当に優しい人だった。そういえば、助けてもらった上にここの支払いまで…。
名前と連絡先を聞くのを忘れてしまっていたので、連絡も取れそうにない。
きちんとお礼を出来なかったことが心残りだ。若葉はもう2度と会うことはないだろうと思いながら、店を出た。
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