ゲームクリエーターはゲームも恋もクリアする
コンコンコン

ノックをし、病室へ入る。

母はまだ検査が終わっておらず、姉が病室で一人座っていた。

「お姉ちゃん、さっきはごめん。」

「私の方こそ、ごめん。さっき言ったことは忘れて。」

「いいの。私が、有野社長のとこに行く。」

「何言ってるの?」

「最初からそうしとけばよかったんだよね。ほんとごめん。
お見合いまでしてるんだから、行くなら私だよ。」

「だめよ。」

「私なら独身だし、誰も傷つく人もいない。それに社長夫人になれるのよ!」

と、若葉はわざとおどけてみせた。

「若葉・・・。」

「お姉ちゃんはしっかりうちの旅館守って。」

「若葉、ありがとう。」

「あ、お母さん!」

扉が開き、検査を終えた母が車いすに乗って病室に戻ってきた。

看護師が母をベッドに座らせ、そのまま寝かせた。

「若葉、来てくれたのね。わざわざごめんね。」

「もう、びっくりしたんだから。元気そうでよかった。」

「検査は一通り終わりましたので。」

「はい、ありがとうございました。」

と、若葉と和葉が二人で看護師にお礼を言った。

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