探偵少女
case1
三崎知由。
腰あたりまである黒髪が風に踊らされ、はっきりとした二重の目と、薄紅色の唇が顕になる。
しかしその瞳は儚げで、見た者の目を奪っていく。
「あの子、綺麗……」
知由が道を歩くと、すれ違った女子高生が振り向いて羨ましそうに言う。
知由の隣を歩いている中矢友奈は、つまらなそうな表情を浮かべる。
「見た目しか知らないから、あんなふうに言えるのよね」
当の本人は興味なさそうだ。
「ちょっと三崎、聞いてる?」
確実に話しかけられても、それにすら答えない。
知由の耳を引っ張ると、ようやく目が合う。
「なに」
知由の無表情が、少しだけ崩れる。
「全人類に、三崎の性格の悪さを教えてやりたいって話」
「言いたいなら言えばいい。他人の声なんて、どうでもいい」
やはり知由は興味ないようで、友奈はさらにため息をつく。
「こんな見た目だけの女のどこがいいんだか」
「中矢より頭はいいけど」
明らかに見下した発言ではあるが、事実のため、友奈は言い返せない。
「三崎のそういうところ、本当キライ」
「だったら、なんで一緒にいるの」
表裏なく、バカ正直に言ってくれるところが、気に入っているから。
なんて言えなくて、友奈は適当に誤魔化す。
「ところで、今日は雪兎さんはいるの?」
友奈の浮かれた顔を見て、知由はため息をつく。
「あの役立たずの、どこがいいんだか」
腰あたりまである黒髪が風に踊らされ、はっきりとした二重の目と、薄紅色の唇が顕になる。
しかしその瞳は儚げで、見た者の目を奪っていく。
「あの子、綺麗……」
知由が道を歩くと、すれ違った女子高生が振り向いて羨ましそうに言う。
知由の隣を歩いている中矢友奈は、つまらなそうな表情を浮かべる。
「見た目しか知らないから、あんなふうに言えるのよね」
当の本人は興味なさそうだ。
「ちょっと三崎、聞いてる?」
確実に話しかけられても、それにすら答えない。
知由の耳を引っ張ると、ようやく目が合う。
「なに」
知由の無表情が、少しだけ崩れる。
「全人類に、三崎の性格の悪さを教えてやりたいって話」
「言いたいなら言えばいい。他人の声なんて、どうでもいい」
やはり知由は興味ないようで、友奈はさらにため息をつく。
「こんな見た目だけの女のどこがいいんだか」
「中矢より頭はいいけど」
明らかに見下した発言ではあるが、事実のため、友奈は言い返せない。
「三崎のそういうところ、本当キライ」
「だったら、なんで一緒にいるの」
表裏なく、バカ正直に言ってくれるところが、気に入っているから。
なんて言えなくて、友奈は適当に誤魔化す。
「ところで、今日は雪兎さんはいるの?」
友奈の浮かれた顔を見て、知由はため息をつく。
「あの役立たずの、どこがいいんだか」
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