探偵少女
「自分の興味の有無で依頼を受けるかどうか決めるのって、どうなんですか」


 晴真のはっきりとした物言いに、一弥はじっと晴真を見ている。


 言いすぎたかと後悔する自分もいるが、間違ったことを言ったつもりもないので、背筋を伸ばす。


「ですよね」


 ところが盛大に同意され、逆に戸惑ってしまう。


「今回の依頼は興味ないからお前たちで解決しろなんてことが、何度あったことか」


 晴真が思っている以上に、一弥は知由の態度に不満があるようだ。


 しかしそれを本人がいるところで言っていることが、信じられなかった。


「えっと、彼女が探偵なんですよね?」


 今一度確認してしまうくらい、晴真は知由が中心人物であることが受け入れられなかった。


「ええ、そうですよ。ああ、でも、三崎が興味ないので依頼を受けない、なんてことはしません。その場合は、我々が解決するだけなんで。ここの店員は三崎の役に立てずに罵られるのが嫌な人が多いんで、それなりに優秀です。安心してください」


 晴真は明らかに高校生の知由と、明らかに成人男性の一弥の関係性が見えず、戸惑いを見せる。


 そして、全員が知由の態度を承認しているようなところが気になった。


「どうして、彼女がお遊び的感覚で探偵をしていることを、皆さん黙認されているんですか?」
< 16 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop