探偵少女
case2



『三崎知由は、朝原晴真の恋人だ』




 翌朝、友奈は眠気に襲われながら、布団の中でよく使うSNSを開くと、そんな情報が流れてきた。


「……は?」


 一発で目が覚めた。


 よく見れば、名前だけではない。


 知由の写真もある。


 晴真と睨み合いをしている写真だ。


 昨日のやり取りを、店にいた誰かがネットに流したのか。


 そう思ったが、その写真が店の外から撮られているようにも思えた。


 だが、それだけだ。


 友奈にはそれが嘘であることしかわからないし、誰がネットに流したのかは知りようがない。


 でも知由は違う。


 たとえ情報元が使い捨てアカウントだとしても、知由は特定してしまう。


 それを知っているから、友奈は恐ろしく思った。


 偽の情報で話題になって、知由がなにもしないわけがない。


 そして、調べて済ませるわけもない。


 友奈は見ず知らずの人に同情し、気が気でない状態のまま、身支度を整えていく。


 朝食をとっている場合でもないと、家を飛び出してAliceに向かう。


 急いで店に着いたのはいいが、当然、ドアには『CLOSE』の文字。


 判断を間違えたと後悔しながら、とりあえずドアに手をかけると、ドアが開いた。
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