探偵少女
「ただ、昨日はいろいろ例外があったから、お願いしたとはいえ、フォローしきれなかったのかもね」


 雪兎は少し切なそうな瞳を見せる。


「だから雪兎は役立たずなの」


 雪兎に辛辣な言葉を返した知由は、ノートパソコンを小脇に抱え、たまごサンドを食べている。


「ちぃちゃん、それ見つけたの?」
「出しっぱなしだった」


 それを聞いて、雪兎は厨房に引っ込む。


 知由は友奈から離れたカウンター席に座り、パソコンを置く。


「雪兎さんの言葉を否定したってことは、やっぱり、あの写真を撮ったのは、ここのお客さんじゃないってこと?」
「そうだけど、中矢、なんでいるの?」

 
 知由はたまごサンドを口いっぱいに詰め込み、パンの粉を躊躇わずに床に落とし、パソコンを操作する。


 友奈がいることにさほど興味ないのは、明らかだ。


 友奈は答える気にならない。


「写真を投稿した人、特定したの?」
「撮った奴、私の名前を出した奴、恋人だと偽りを述べた奴。特定済み」


 友奈は言葉を失う。


 恐ろしさを通り越して、流石とさえ思った。


「じゃあ……反撃開始?」
「まさか。この程度で反撃しても、面白くない」


 知由は本当に悪魔的性格をしていた。
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