探偵少女
晴真が落ち込んでいるように見えて、知由は慌ててフォローする。
「でも、思春期男子のよくある、可愛い暴走なのでは?」
「だとしても、彼女が学校に来る回数が減っていったので、嫌がられていたのは確かだと思います。俺が怖がらせたんだ、二度と近寄るなって言われたし」
知由の視線が鋭くなる。
「誰に?」
「彼女の双子の姉です。城井……楓花、だったかな」
把握していない名に、知由は考え込む。
それは真剣そのもので、晴真の中で知由への印象が変わっていく。
本当に伝え方が下手なだけで、遊びで探偵をしているわけではないのだと、改めて感じた。
「……城井楓花がストーカーの可能性は?」
「それもないと思う」
知由が導き出した一つの仮説を、晴真は即座に否定した。
「女と話すなとか、俳優をやめろとか、私だけを見て、みたいな手紙が届いていたから」
「なるほど……」
再び、知由の考える時間ができる。
考えるときに唇に触れるのは癖なのだろうか、なんて思いながら、知由の次の質問を待つ。
しかし無言の時間が続いて晴真が退屈していると思った知由は、唇から手を離す。
「あとはこっちで調べてみます。話してくださり、ありがとうございました」
「でも、思春期男子のよくある、可愛い暴走なのでは?」
「だとしても、彼女が学校に来る回数が減っていったので、嫌がられていたのは確かだと思います。俺が怖がらせたんだ、二度と近寄るなって言われたし」
知由の視線が鋭くなる。
「誰に?」
「彼女の双子の姉です。城井……楓花、だったかな」
把握していない名に、知由は考え込む。
それは真剣そのもので、晴真の中で知由への印象が変わっていく。
本当に伝え方が下手なだけで、遊びで探偵をしているわけではないのだと、改めて感じた。
「……城井楓花がストーカーの可能性は?」
「それもないと思う」
知由が導き出した一つの仮説を、晴真は即座に否定した。
「女と話すなとか、俳優をやめろとか、私だけを見て、みたいな手紙が届いていたから」
「なるほど……」
再び、知由の考える時間ができる。
考えるときに唇に触れるのは癖なのだろうか、なんて思いながら、知由の次の質問を待つ。
しかし無言の時間が続いて晴真が退屈していると思った知由は、唇から手を離す。
「あとはこっちで調べてみます。話してくださり、ありがとうございました」