愛しい君へ
渡辺さんのアパートは病院から1時間もかかる場所だった。

「毎日こんなに遠くから通勤してるんだね」

「はい。看護学校時代からここに住んでいるので、
あの、上野先生部屋まで着いて来てもらってもいいですか? 彼氏に合鍵渡してて…」

「あ、そうだね。うんわかったよ。」
2人でアパートの部屋まで来て、俺が渡辺さんの部屋の鍵を開けて中を覗くと誰もいない様だった。

「大丈夫だと思うけど…」

「あの、先生。お茶でも飲んで少しだけ一緒にいてもらってもいいですか?」
と言う渡辺さんはちょっと震えていた。

「じゃあ、お茶を一杯ご馳走になろうかな」

「本当にすみません。」
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