愛しい君へ
帰郷
1年後＊＊＊

将史を北海道の両親に預けてから1年が経った。
父さんとの約束通り毎月将史に会いに行った。
将史もはじめの頃は、夜泣きなどして大変だったらしいが、すぐに今の生活にも慣れてくれた。

俺も必死で学びながら何とか試験に合格した。
そろそろ実家へ戻る為、いろいろと動いていた。

実家から通える総合病院に働き口があり、大学の教授と医局長の推薦状も頂けたので、すんなり転職できる事になった。

昨日、大学病院を退職した。
かなり溜まっていた有給は、3週間分だけ使いあとは現金化してもらうことにした。

都内のこのマンションともお別れだ。引っ越し業者に指示しながら搬出作業を行っている。

今日は都内のホテルに泊まり明日飛行機で北海道へ戻る。

地元にいる高校時代のツレ達にも戻る事を連絡したら、週末に歓迎会をしてくれる事になった。
地元の奴らのグループトークにも招待され、みんなから『おかえり〜』とか『今度、キャンプしよう』など呑気なメッセージが返ってきた。
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