愛しい君へ
「なぁ、草山…離婚は俺が1番悪いんだけどさ〜
アイツは自分の病気を知ってて医師の俺には頼らなかったのは何でだろう…」

「……」

「俺は自分勝手にさ、薫にはバレてないから不倫相手と別れたら薫と子供とまた普段通りに暮らせると思ってたんだよ。
でも薫は全て知ってて…
そして…離婚を切り出されたんだ。

最後に会った時もガリガリに痩せてたけど、俺が苦労させたからだとしか思わなかった。

医者なのに家族の体調もわからないなんて…
マジで情けない…」

「上野。松本さんはお前の幸せの為に何も言わなかったんじゃあないかなぁ…
そして自分がお腹を痛めて産んだ大切な子供もお前の側にと思ったんじゃあないか?」

「俺の幸せ?」

「俺の勝手な想像だけどさ、松本さんはお前の事を深く愛しているからこそお前には知られずにそっと死にたかったんだと思う。
身を切る思いで子供さんとも別れたんじゃあないかなぁ…
まぁ、俺の勝手な想像だけどな。

だから上野、自分を責めるなよ。松本さんは復讐しようと思ってないと思う。お前と子供さんには幸せに暮らして欲しかったと思うからさ!」
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